本研究は、都市域でのペルフルオロ化合物の都市環境域内での動態解析とヒトへのリスク低減シナリオ提案をめざすものである。都市水環境系でのPFOS/PFOAを中心とする有機フッ素化合物の挙動に加え、産業社会系の動態を研究し、総合的にヒトへの暴露実態を評価する。また、炭素鎖の異なるペルフルオロ化合物(PFCs)、その各種テロマーなどそれらの前駆体、有機フッ素全量、さらにはそれらの吸着態など、多様な関連物質についても対象とする。 1年目は、PFCsの一斉分析条件の検討、PFCsの浮遊物吸着態の抽出方法の開発、全有機フッ素量測定、水環境中での動態調査、都市水環境での水循環調査、フッ素関連会社と関連企業間の産業連関構造解析を実施する。 2年目は、前年度に引き続きPFCsの浮遊物吸着態の抽出方法の開発、全有機フッ素量測定、水環境中での動態調査、都市水環境での水循環調査、フッ素関連会社と関連企業間の産業連関構造解析を行い、さらに固体中のPFCs測定法検討、PFCsポテンシャル量測定法開発、浄水場での挙動調査、下水処理場での挙動調査、降水および降塵負荷調査を行う。加えて、フッ素系商品の全マスフロー推定、市場製品中のフッ素およびPFCs 含有量調査を行う。 3年目は、前年度に引き続きPFCsポテンシャル量測定法開発、水環境中での動態調査、浄水場での挙動調査、下水処理場での挙動調査、降水および降塵負荷調査、フッ素系商品の全マスフロー推定、市場製品中のフッ素およびPFCs含有量調査を行い、さらに大気成分中のPFCsの測定法検討、大気中の含有量モニタリング、市民のPFCs含有物質の利用状況アンケート、フッ素各成分の都市社会内マスフロー詳細解析を行う。 最終年度は、前年度に引き続き大気中の含有量モニタリング、フッ素系商品の全マスフロー推定、市場製品中のフッ素およびPFCs 含有量調査、市民のPFCs含有物質の利用状況アンケート、フッ素各成分の都市社会内マスフロー詳細解析を行うとともに、以上の結果を集約し、都市、水環境・社会環境合体のPFCs動態把握モデルの開発とその定量結果評価、PFCs動態把握モデルに基づくリスク回避シナリオの作成を行う。
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