研究課題/領域番号 |
20246088
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鈴木 弘之 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (20114093)
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研究分担者 |
辻本 誠 東京理科大学, 工学部, 教授 (90115600)
原田 和典 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90198911)
衣笠 秀行 東京理科大学, 理工学部, 教授 (00224999)
大宮 喜文 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (10287469)
平島 岳夫 千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20334170)
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キーワード | 建築構造・材料 / 防災 / 火災 / 耐震 / 鋼構造耐火 / 地震後火災 / 高温構造安定 / 変形追随性 |
研究概要 |
3年間の全研究に対し5課題を設定し、初年度はその中の4課題に取り組み、それぞれ下記の成果・実績を得た。 1.変形と加熱を同時に受ける被覆鋼部材の高温耐力を明らかにすべく、初年度は実験方法の開発に取り組んだ。すなわち、現有の中型耐火炉を外側から囲む形の加力フレームを新たに設け、炉内の試験体に対して加熱と変形を同時に作用させ得る試験装置を製作した。 2.地震によって永久面内せん断角を被った乾式壁の区画保持性能を明らかにすべく、実犬石膏ボード壁2系列の加力・加熱試験を実施し、次の知見を得ている。被災モードとして、コーナー部圧壊、ボード単体のロッキング、ビス・ステープルの接合力劣化ないし破断、ボードに広がるせん断亀裂、ボード全体の面外座屈などが見出される。無傷の壁に比べて被災壁の耐火時間が劣るのは、加熱面側ボードの早期脱落が主因であり、ステープル接合の強化を図ると脱落遅延を得て、耐火性能を向上させ得る。 3.火災時における鋼架構に発生する変形の大きさを火災応答解析によって検討した。加熱される架構中の柱の部材角が最大になるのは終局時前の中温域時であること、さらに、部材角が一定程度以上に大きくならないのは、梁が圧縮力により座屈してしまうからであることなどが判明している。 4.地震被災を被った鋼架構の地震後火災に対する高温耐力を火災応答解析と理論解析両面から研究し、次の知見を得ている。地震による永久層間変位が火災時の崩壊温度低下に与える影響は、架構が耐震設計を施されている限り、また被災が再使用可の枠内である限り、甚大には至らない。さらに梁端が部分的に破断している場合にも、その悪影響は限定的である。
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