研究課題/領域番号 |
20246089
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
時松 孝次 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50134846)
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研究分担者 |
田村 修次 京都大学, 防災研究所, 准教授 (40313837)
鈴木 比呂子 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (60401527)
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キーワード | 地震 / 杭基礎建物 / 直接基礎建物 / 地盤の非線形性 / 地盤変状 |
研究概要 |
平成19年新潟県中越沖地震の際、強震記録に見られた非線形性状の原因を究明するため、当該地点で、表層地盤のボーリング、サンプリング、PS検層を行い、得られたサンプリング試料の室内動的変形強度試験を行い、微少ひずみから破壊領域までの、地盤の応力ひずみ関係を求めた。さらに、室内試験結果に基づいて、実地震記録のシミュレーション解析を行ない、地盤の非線形性状が地震動に与えた影響について検討した。また、簡便な土の3次元構成則を組み込んだ非線形有効応力解析を開発し、その有効性を同様の強震記録により検討した。 平成19年能登半島地震で木造建物の上屋・基礎被害の大きかった輪島市門前町を対象に、同様の地盤調査をおこない、地盤および建物の応答解析を含めて詳細に検討し、被害分布が、直下の二次元構造と地盤の非線形性状による地盤の固有周期の延びに依存することを示した。さらに、平成19年新潟県中越沖地震の際、被害または無被害であった杭基礎建物および直接基礎建物について、地盤特性と建物被害についての詳細調査を行い、被害、無被害の要因について検討した。 直接基礎の根入れの有無や表面粗さが、地震時の直接基礎建物の滑り変位、底面摩擦力、主働・受働面の土圧に及ぼす影響を、遠心載荷実験で検討し、根入れがあると基礎部の滑り変位が小さくなること、基礎部表面の滑らかなケースでは、粗いケースに比べて土圧が小さく、底面摩擦力が大きいことを示した。上部構造と地盤の固有周期の関係、入力地震動の卓越周期、基礎の根入れ、杭剛性、地盤の非線形性の程度などを変化させた既往の大型振動台実験結果、遠心振動実験結果の再吟味から、地盤の超非線形時における基礎入力地震動の低減効果、群杭効果、慣性力と地盤変位の効果について、応答変位法の適用性なども含めて、総合的な検討を行なった。
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