研究分担者 |
西山 峰広 京都大学, 工学研究科, 教授 (50183900)
河野 進 京都大学, 工学研究科, 准教授 (30283493)
坂下 雅信 京都大学, 工学研究科, 助教 (50456802)
塩原 等 東京大学, 工学研究科, 准教授 (50272365)
寺岡 勝 呉工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (60442464)
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研究概要 |
PCaPC部材のせん断性状を把握することを目的として、13体のPCaPC柱および梁の静的載荷実験を行った。実験変数はコンクリート強度(60MPa, 130MPa)せん断補強筋比(pw=0.32%、0.63%)、せん断補強筋強度(wfy=785N/mm2、1275N/mm2)、PC鋼棒の種類(丸鋼、異型)の4種類とした。高性能材料を用いたPCaPC柱では,試験体の破壊性状はせん断補強筋比の違いにより,曲げ耐力に到達後のせん断破壊および曲げ破壊に分類された。一方PCaPC梁の試験体では,最大耐力時にはPC鋼材の降伏が確認された。pw=0.21%の試験体では,終局時に曲げひび割れから斜めに発展した斜張力ひび割れの発生により耐力が大幅に低下した。pw=0.42%の試験体では,最大耐力に到達するまではせん断補強筋が0.21%の試験体とほとんど同じ破壊性状を示した。最大耐力に到達後,R=9.0%でせん断ひび割れが発生するまで,耐力の低下がほとんどない典型的な曲げ型の損傷が進展した。また,PC鋼棒のひずみ分布から丸鋼及び異型鋼棒の付着性状を確認し,この影響を考慮して曲げ強度計算する方法を提案した。その結果,丸鋼を用いた試験体では10%未満、異型鋼棒を用いた試験体では5%未満の精度で曲げ耐力を評価することができた。 当研究グループで開発した波型鋼板(図2)およびダンパーケーブルを,高性能PCaPC構造に組み込むための準備として,解析モデルを構築しパラメトリックスタディーを行なった。PCaPC柱および梁,さらにダンパー部材の履歴性状をモデル化し,既存の実験結果の時刻歴応答を追跡した。その結果,柱梁接合部やダンパー取付部など接合部における剛性評価と,PC鋼材の付着の影響を履歴復元力モデルに反映させることの2点が重要であることが分かった。
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