研究分担者 |
西山 峰広 京都大学, 工学研究科, 教授 (50183900)
河野 進 京都大学, 工学研究科, 准教授 (30283493)
坂下 雅信 京都大学, 工学研究科, 助教 (50456802)
塩原 等 東京大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50272365)
寺岡 勝 呉工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (60442464)
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研究概要 |
適切な制振部材を配してエネルギー消費性能を確保しつつ、プレストレス力で地震後の自己修復性を確保するPC造構造形式を確立する。この構造形式を用いて、地震時の耐震性能を向上させ、かつ地震後の部材損傷を最小限とすることが可能である建物の開発を行い、「建物の機能維持・早期復旧」を実現するための設計法を構築する。 他の構造では取り入れられている性能設計をプレストレストコンクリート(以下,PC)造にも取り入れるために,性能設計の考え方を取り入れた指針の作成が必要である。そこで,断面解析によるPC構造部材の性能検証を行い,4つの限界状態(使用限界,修復限界I,修復限界II,安全限界)に達するときの変形角および要因を考察した。その結果,おおむねPC鋼材や普通鉄筋に先んじて,コンクリートが4つの限界状態に達した。また,煩雑な材料レベルの限界状態決定条件を用いず,材端回転角のみで限界状態が決定できること示した。 また,NEES/E-Defense日米共同研究コンクリート系実大建物実験研究「高性能鉄筋コンクリート造建物の開発研究」において,実大高性能RC造建物の振動台実験に参画した.この実大実験では,1階のPC柱およびPC壁の脚部コンクリートが,プレストレス力と転倒モーメントによる付加曲げによって高圧縮状態となり,圧壊による損傷を受けたため,骨組剛性が大きく低下した.しかし,その他の性能は既存のRC造建物に比較して機能維持・早期復旧に関して大変優れていることが証明された.
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