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2011 年度 実績報告書

日本建築様式史の再構築

研究課題

研究課題/領域番号 20246093
研究機関東京大学

研究代表者

藤井 恵介  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50156816)

研究分担者 川本 重雄  京都女子大学, 家政学部, 学長 (40175295)
平山 育男  長岡造形大学, 造形学部, 教授 (50208857)
溝口 正人  名古屋市立大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (20262876)
後藤 治  工学院大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50317343)
上野 勝久  東京芸術大学, その他の研究科, 教授 (20176613)
大野 敏  横浜国立大学, その他の研究科, 准教授 (20311665)
藤川 昌樹  筑波大学, システム情報工学研究科(系), 教授 (90228974)
光井 渉  東京芸術大学, 美術学部, 准教授 (40291819)
大橋 竜太  東京家政学院大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40272364)
角田 真弓  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 技術専門職員 (20396758)
加藤 耕一  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30349831)
キーワード建築様式 / 大名屋敷 / 毛利藩 / 鑁阿寺本堂 / 宮殿 / 中国 / 韓国 / ベトナム
研究概要

本年は、研究の蓄積をシンポジウムの開催によって広く公表し、学際的、国際的な議論を積み重ねることで、さらに深化させることにした。シンポジウムは総計4回開催した。
① 『寝殿造と書院造の間~総柱大型建物をめぐって~』平成23年10月15日に開催(担当川本重雄)。「寝殿造と総柱大型建物」のテーマで研究発表を行った。総柱建物について、これまで考古学的な研究はあるが、文献史料による研究をこれに加えることで、寝殿造の展開に新たな見通しを立てることが目的である。報告者は川本重雄(建築史)、伊藤裕偉、水澤幸一、岡陽一郎、羽柴直人(以上考古学)、コメンテイターは藤田盟児(建築史)。
② 『江戸大名屋敷作事記録を読む』平成23年11月27日に開催(担当藤川昌樹)。山口県文書館所蔵の毛利家史料を用いた萩藩江戸屋敷の作事記録の研究である。報告者は、宮崎勝美(日本史)、高屋麻理子(建築史)、加藤悠希(建築史)、渋谷葉子(日本史)、森下徹(日本史)、岩淵令治(日本史)、藤川昌樹(建築史)。
③ 『中世建築における様式研究の再考』平成23年12月10日に開催(担当上野勝久)。日本の中世における寺院建築の様式について、特に様式の折衷に焦点を当てて検討した。報告者は、藤井恵介(建築史)、奥健夫(美術史)、光井渉(建築史)、野村俊一(建築史)、永村眞(日本史)、上野勝久(建築史)。
④ 『東アジアの宮殿建築と儀式~元日朝賀と宴会~』平成24年2月18日に開催(担当川本重雄)。日中韓越四カ国の元日の宮廷行事を比較研究し、それぞれの特徴について明らかにした上で、日本の宮殿建築の持つ特異性について検討した。報告者は川本重雄(日本建築史)、パン・サンハイ(ベトナム宮殿史)、福田美穂(中国宮殿史)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

従来のシンポジウムは以下の通り。1、『日本住宅史と民家史を結ぶ』平成20年度、2.『日本寺院建築史と住宅建築史の接点と境界』平成21年度、3.『修復・再現と様式』平成22年度、4.『民家の移築と維持』平成22年度、5、『歴史的町並みの近代化と建築史研究』平成22年度、6.『寝殿造と書院造の間~建築史学と考古学の接点を求めて~』平成23年度、7、『江戸大名屋敷作事記録を読む』平成23年度、8.『中世建築における様式研究の再考』平成23年度、9.『東アジアの宮殿建築と儀式~元日朝賀と宴会~』平成23年度。
日本建築史における、研究分野ごとの課題を異なった研究分野と同時に俎上に乗せて議論する、という方法は相当に進んだ。また、各研究分野における新しい課題も多数点検されて、新しい展望も提案されてきた。さらに、日本建築史以外の分野、西欧建築史、日本史学、考古学との積極的な議論を重ねることによって、現在における日本建築史の固有性とその限界を正確に把握し、新しい展望を獲得しつつあるのが現状である。
当初予定された成果を達成しつつあるのが現状であると認識している。

今後の研究の推進方策

本年度までに、各分野、分野間の討論を重ねてきた。それぞれの研究分野を越えた議論はかなり進んだと考える。今後は、総括的な議論を進める必要がある。総体として建築様式を取り扱い、そこでの現代の建築史学のもつ課題を明らかにする必要がある。また、世界的な視野で、建築史の新しい方法論を提案する必要がある。

  • 研究成果

    (37件)

すべて 2013 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (16件) (うち招待講演 11件) 図書 (8件)

  • [雑誌論文] 掘立柱を有する曲り屋・小村勝広家主屋の変遷過程と建築的特徴 岩手県九戸郡洋野町の芝棟茅葺民家に関する研究(2)2012

    • 著者名/発表者名
      大野敏
    • 雑誌名

      日本建築学会関東支部審査付研究報告集

      巻: 7 ページ: 177-180

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 地束を有する荒巻信一郎家主屋の変遷過程と建築的特徴 岩手県九戸郡洋野町の芝棟茅葺民家に関する研究(3)2012

    • 著者名/発表者名
      大野敏
    • 雑誌名

      日本建築学会関東支部審査付研究報告集

      巻: 7 ページ: 181-184

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 東京大学工学系研究科建築学専攻所蔵旧備品台帳(3)旧工部大学校学校所蔵史料2012

    • 著者名/発表者名
      角田真弓
    • 雑誌名

      東京大学史紀要

      巻: 30 ページ: 35-54

  • [雑誌論文] 古代宮殿における饗宴空間2011

    • 著者名/発表者名
      川本重雄
    • 雑誌名

      家具道具室内史

      巻: 3号 ページ: 5-20

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 鑁阿寺本堂の部材の年代判定について2011

    • 著者名/発表者名
      上野勝久
    • 雑誌名

      日本建築学会計画系論文集

      巻: 678号 ページ: 1939-1947

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 町並み保存の現在・過去・未来2011

    • 著者名/発表者名
      藤川昌樹
    • 雑誌名

      日本歴史

      巻: 752号 ページ: 120-125

  • [雑誌論文] 平安時代の建築と庭園2011

    • 著者名/発表者名
      溝口正人
    • 雑誌名

      平安時代庭園の研究ー古代庭園研究IIー 奈良文化財研究所学報

      巻: 86 ページ: 103-119

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「施主」とは何か?2011

    • 著者名/発表者名
      後藤治
    • 雑誌名

      建築雑誌

      巻: 126-2 ページ: 16-17

  • [雑誌論文] イギリスにおける文化財建造物の防災対策 歴史的環境を活用するためのブレイク・スルー~イギリス編2011

    • 著者名/発表者名
      後藤治
    • 雑誌名

      ビルディングレター

      巻: 541 ページ: 45-51

  • [雑誌論文] ドイツにおける文化財建造物の防災対策 歴史的環境を活用するためのブレイク・スルー~ドイツ編2011

    • 著者名/発表者名
      後藤治
    • 雑誌名

      ビルディングレター

      巻: 542 ページ: 39-44

  • [雑誌論文] 古い高層ビルを安全に改修し、管理する2011

    • 著者名/発表者名
      後藤治
    • 雑誌名

      建築雑誌

      巻: 126-1 ページ: 32

  • [雑誌論文] 文化財建造物の国宝について2011

    • 著者名/発表者名
      上野勝久
    • 雑誌名

      柳川の社寺建築

      巻: II 月報 ページ: 1-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 萩藩江戸上屋敷式台建築の寛延度作事における建設マネジメント2011

    • 著者名/発表者名
      藤川昌樹
    • 雑誌名

      日本建築学会計画系論文集

      巻: 663 ページ: 993-1001

    • 査読あり
  • [学会発表] 修法・灌頂の空間 ―最澄と空海と円仁―2011

    • 著者名/発表者名
      藤井恵介
    • 学会等名
      灌頂 --王権儀礼のアジア的展開-- シンポジウム
    • 発表場所
      金沢市、金沢大学サテライトプラザ
    • 年月日
      20111105-20111106
    • 招待講演
  • [学会発表] 寝殿造と総柱建物

    • 著者名/発表者名
      川本重雄
    • 学会等名
      日本建築様式史の再構築」連続シンポジウム6『寝殿造と書院造の間 建築史学と考古学の接点を求めて』
    • 発表場所
      京都市、京都女子大学B校舎
  • [学会発表] 平安宮における元日朝賀と宴会

    • 著者名/発表者名
      川本重雄
    • 学会等名
      「日本建築様式史の再構築」連続シンポジウム9『東アジアの宮殿建築と儀式 元日朝賀と宴会』
    • 発表場所
      東京都文京区、東京大学工学部1号館
  • [学会発表] 建築史における技術と様式

    • 著者名/発表者名
      藤井恵介
    • 学会等名
      「日本建築様式史の再構築」連続シンポジウム8『中世建築における様式研究の再考』
    • 発表場所
      東京都台東区、東京藝術大学上野キャンパス中央棟
  • [学会発表] 水道に夢を見た 三条市大崎浄水場に託された思い

    • 著者名/発表者名
      平山育男
    • 学会等名
      燕三条の近代水道施設講演会
    • 発表場所
      三条市、三条東公民館
    • 招待講演
  • [学会発表] 名古屋城から学ぶ城の建築と技術の歴史

    • 著者名/発表者名
      溝口正人
    • 学会等名
      瑞穂生涯学習センター講演会
    • 発表場所
      名古屋市、瑞穂生涯学習センター
    • 招待講演
  • [学会発表] 伝建調査からみた足助の町並みの魅力

    • 著者名/発表者名
      溝口正人
    • 学会等名
      足助まちづくり推進協議会
    • 発表場所
      豊田市、豊田市足助交流館
    • 招待講演
  • [学会発表] 登録文化財制度の現在と今後

    • 著者名/発表者名
      後藤治
    • 学会等名
      日本民家再生協会
    • 発表場所
      東京都千代田区、千代田区麹町区民館
    • 招待講演
  • [学会発表] 復興へのリデザイン4-歴史を伝承する

    • 著者名/発表者名
      後藤治
    • 学会等名
      せんだいスクール・オブ・デザイン
    • 発表場所
      仙台市、東北大学青葉山キャンパスセンタースクエア中央棟
    • 招待講演
  • [学会発表] 登録有形文化財とまちの魅力づくり

    • 著者名/発表者名
      後藤治
    • 学会等名
      新宿区・NPO法人粋なまちづくり倶楽部
    • 発表場所
      東京都新宿区、牛込箪笥地域センター
    • 招待講演
  • [学会発表] 鑁阿寺本堂を通してみた様式の展開

    • 著者名/発表者名
      上野勝久
    • 学会等名
      「日本建築様式史の再構築」連続シンポジウム8『中世建築における様式研究の再考』
    • 発表場所
      東京都台東区、東京藝術大学上野キャンパス中央棟
  • [学会発表] 北関東における歴史的建造物の被災状況について

    • 著者名/発表者名
      藤川昌樹
    • 学会等名
      日本ナショナルトラスト東日本大震災自然・文化遺産復興支援プロジェクト「復興支援の集い」
    • 発表場所
      東京都港区、国立新美術館
    • 招待講演
  • [学会発表] 萩藩江戸大名屋敷作事における「手作事」と「請負」

    • 著者名/発表者名
      藤川昌樹
    • 学会等名
      日本建築様式史の再構築」連続シンポジウム7『江戸大名屋敷作事記録を読む』
    • 発表場所
      東京都文京区、筑波大学東京キャンパス文京校舎
    • 招待講演
  • [学会発表] 中世寺院建築における様式概念の生成

    • 著者名/発表者名
      光井渉
    • 学会等名
      「日本建築様式史の再構築」連続シンポジウム8『中世建築における様式研究の再考』
    • 発表場所
      東京都台東区、東京藝術大学上野キャンパス中央棟
  • [学会発表] 都市と寺社

    • 著者名/発表者名
      光井渉
    • 学会等名
      仏教文化講座
    • 発表場所
      東京都新宿区、新宿明治安田生命ホール
    • 招待講演
  • [学会発表] 工部大学校とマクヴェイン

    • 著者名/発表者名
      角田真弓
    • 学会等名
      コリン・アレクサンダー・マクヴェイン没後百周年シンポジウム 工部省測量司長マクヴェインと明治初期日本
    • 発表場所
      東京都目黒区、東京大学生産技術研究所An棟
    • 招待講演
  • [図書] 東アジアの宮殿建築と儀式2013

    • 著者名/発表者名
      川本重雄
    • 総ページ数
      100
    • 出版者
      「日本建築様式史の再構築」連続シンポジウム
  • [図書] 寝殿造と書院造の間 建築史学と考古学の接点を求めて2012

    • 著者名/発表者名
      川本重雄
    • 総ページ数
      97
    • 出版者
      「日本建築様式史の再構築」連続シンポジウム
  • [図書] 中世建築における様式研究の再考2012

    • 著者名/発表者名
      上野勝久
    • 総ページ数
      95
    • 出版者
      「日本建築様式史の再構築」連続シンポジウム
  • [図書] 江戸大名屋敷作事記録を読む2012

    • 著者名/発表者名
      藤川昌樹
    • 総ページ数
      114
    • 出版者
      「日本建築様式史の再構築」連続シンポジウム
  • [図書] 日本の美術544号 近代化遺産 交通編2011

    • 著者名/発表者名
      後藤治
    • 総ページ数
      93
    • 出版者
      ぎょうせい
  • [図書] 鑁阿寺本堂調査報告書2011

    • 著者名/発表者名
      上野勝久
    • 総ページ数
      224
    • 出版者
      足利市教育委員会
  • [図書] 神奈川県指定文化財英勝寺山門復原保存修理工事報告書2011

    • 著者名/発表者名
      大野敏
    • 総ページ数
      163
    • 出版者
      英勝寺
  • [図書] 2011年東北地方太平洋沖地震災害調査速報2011

    • 著者名/発表者名
      上野勝久
    • 総ページ数
      577
    • 出版者
      日本建築学会

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公開日: 2014-07-24  

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