研究課題/領域番号 |
20246097
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
香川 豊 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50152591)
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研究分担者 |
松村 功徳 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (20447329)
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キーワード | セラミックス / コーティング / 積層材料 / 熱反射 / 熱エネルギー / ナノ材料 / 機能設計 |
研究概要 |
マルチスケール積層構造を利用して熱機能を発現するためには、熱的な機能に加えて高温で耐久性のある積層構造であることが求められる。本年度は、マルチスケール積層材料の力学特性、マルチスケール積層構成材料の光学特性を検討することを主な目的とした。 耐久性のある積層構造を実現するための方法として、貝殻の構造を詳細に調べた。その結果、大きな破壊抵抗を持つ積層構造を作製するための材料構造及び熱輻射特性を同時に満足するためのマルチスケール積層構造を検討した。積層構造を設計するために材料の基本特性を測定した。まず、厚さ10nm程度の酸化物系セラミックス自体の特性を自立した薄膜の状態で測定するための試料の作製方法及び試験方法を検討した。自立膜の材料を得るために、円筒状の炭素材料上に原子層堆積法(ALD法)により酸化物系セラミックを10-100nmコーティングし、大気中で基材を酸化させて自立膜を得ることができた。円筒状の自立膜の簡易的な曲げ試験を行い変形破壊挙動を調べた。その結果、厚さが10nm程度の場合には大きな曲げ変形を与えても延性のある金属のように変形することが明らかになった。この結果を用いた、積層構造材料の利点について損傷許容生の観点から検討した。 酸化物系セラミックスの光学特性としてはアルミナ系材料の光学特性の測定及び熱輻射特性の測定を行った。熱輻射特性に関しては室温工から1000℃程度の温度までの検討を行った。多層マルチスケール材料と光との相互作用を検討するために、酸化物層を用いた際の光との相互作用について理論的な検討を行った。
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