研究課題/領域番号 |
20246105
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
津崎 兼彰 独立行政法人物質・材料研究機構, 新構造材料センター, センター長 (40179990)
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研究分担者 |
山口 隆司 大阪市立大学, 工学研究科, 教授 (50283643)
増田 浩志 宇都宮大学, 工学部, 教授 (90238907)
木村 勇次 独立行政法人物質・材料研究機構, 新構造材料センター, 主幹研究員 (80253483)
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キーワード | 建築構造・材料 / 土木材料 / 構造・機能材料 / 材料加工・熱処理 / 接合 |
研究概要 |
本研究では、安全安心な社会基盤を効率良く達成するために、都市内高架橋や高層建築などに汎用可能な1800MPa級超高力ボルトを実現するための材料化学成分と金属組織ならびにボルト形状の最適化のための基礎研究を材料・建築・土木分野の研究者が共同で行うことを目的とする。 22年度は、化学成分・熱処理条件を最適化したFe-0.5C-2Si-1Cr-1Mo(mass%)鋼材(150kg真空誘導溶解材)を用いて、ボルト首下部の形状パラメータを切削加工で試作したボルト製品を用いて取得した。その結果、ボルト製品の引張変形性能を引き出せる最適なボルト首下形状を決定し、ボルト製造メーカーの実機設備を用いて提案した新規ボルト首下形状のボルト製品が100本以上の単位で量産できることを実証した。なお、頭部形状は前年度に本鋼材を用いて量産性を実証したM22トルシア型ボルト(首下R=3mm)とした。一方、前年度に課題抽出されたねじ形状については、FEM解析を用いて最適なねじ形状を見出し、切削加工でねじ部を作製したボルト製品の引張変形性能評価も行った。ナットは従来ねじ形状、新規ねじ形状のボルト製品に対応するものをボルトメーカの実機設備を用いて作製できることを確認した。さらにボルト頭部の鍛造負荷の小さい新規頭部形状を提案してその頭部形状に適した形状の座金も設計し、実際に切削加工で試作した新規頭部形状ボルト・座金セットの実用性の検証実験も行った。そして接合要素(ボルト摩擦接合・ボルト引張接合)の実験・解析を行い、提案するボルト製品の実用性の検証を行った。 以上のように、本基盤研究では、材料開発研究者、土木建築従来の汎用高力ボルト(F10T)の1.8倍の世界最高強度を持つ量産可能な1800MPa級超高力ボルトの材料化学成分と金属組織ならびにボルト形状を材料・建築・土木分野の研究者の連携により提示できた。
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