研究概要 |
医療機器への生体物質の付着・吸着は、材料の機能性を著しく低下させるばかりではなく、ときに患者の生命を危険にさらす場合がある。したがって医療機器の開発においては、如何に「汚れ」の付着しない表面を構築するかが重要となる。本研究では、この生体由来の「汚れ」としてたんぱく質に着目し、たんぱく質の吸着反応に対し、不活性な表面の構築を目指した。この目的を達成するために、我々は様々なペプチド・たんぱく質の合成を行い、得られたペプチドのアミノ酸配列と物理化学的特性(ゼータ電位、会合定数,水への溶解度、吸着平衡定数など〉との相関関係を明らかにすることを目的とした。本年度はペプチド合成装置を用いて、ライブラリを構築するための低分子ペプチド合成をさらに進めた。作製した試料を用いて、QCM-Dによる吸着実験を進め、吸着平衡定数について検討を行った。またSAM技術による表面エネルギーの表面特性を制御したモデル表面を用いて、ペプチドおよびたんぱく質吸着・特性相関解析について検討を行った。
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