研究課題
平成20年度は申請研究の初年度にあたるので、現有の装置を用いて4〜5 km/sの速度範・囲の極超音速衝撃波背後のCARS分光測定を遂行し、開発されたスペクトル解析結果との比較により窒素分子の振動・回転温度を求めた。実験の結果、この速度範囲のCARS計測スペクトルにおいては非共鳴項の寄与は少なく、振動・回転温度決定の誤差も比較的少ないことが判明したが、ランキンユゴニオ条件により推定される平進温度上昇には追随せず、従来の解析で一般的だった温度分布とは異なることが明らかとなった。本研究ではこれらの結果を学会等で発表するとともに、新しいYAGレーザーを購入して測定系に導入することを試みた。導入したレーザーは出力域が従来より大幅に高いが、すべての遅延時間データが異なる。そのため、出力調整とともに、トリガー系を新規に構築し調整を進めている。また出力の増加に伴い、光学系が損傷を受けることが判明したので、次年度以降の研究費において光学系の一部を再構築する必要がある。また、スペクトル解析法の開発において、誤差評価を精度よく行なうことを可能としたが、まだ500K〜lOOOKのスベクトルマッチング誤差は避けられない。今後、様々な改良を続けスペクトル比較解析法の精度を上げる必要がある。ただし、窒素分子の振動・回転両温度分布を厳密に測定する実験は、当該研究者のグループ以外に世界的にも存在しないので、より速い速度レンジでのCARS計測データは、間違いなく、再突入問題を含めた世界の宇宙航空開発研究'に寄与すると確信している。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)
Space Technology Japan(Special Issue Of ISTS) 08-e-23(予定)
ページ: 6
Institute of Physics,Journal of physics cs-147(予定)
Rarefied Gas Dynamics (CD-ROM Proceed-ings of 26th Int. Symp. on RGD) AIP Conf Proc. 1084
ページ: 1-9