研究課題
平成21年度は、20年度に導入した高出力のYAGレーザーを使用し、現有の分光装置を用いて5~7km/sに近い高速度範囲の極超音速衝撃波背後のCARS分光測定を遂行し、開発されたスペクトル解析結果との比較により窒素分子の振動・回転温度を求めた。実験の結果、この速度範囲のCARS計測スペクトルでは非共鳴項の寄与が大きくなること、振動・回転温度決定の誤差も増加することが判明したが、ランキンユゴニオ条件により推定される平進温度上昇には昨年度の速度範囲の結果と同様に追随せず、従来の解析による温度分布とは異なることが明らかとなった。また全放射発光やプリカーサー発光の原因を光増幅装置で観測し解明することができた。本研究ではこれらの結果を学会等で発表するとともに、現有旧型画像データ処理装置をPCの進展に併せたものに改良し調整を進めた。またレーザー出力の増加に伴い、光学系が損傷を受けることが判明したので、光学系の一部を改良し再構築した。また、スペクトル解析法の開発において、誤差評価を精度よく行なうことを可能としたが、500K~1000Kのスペクトルマッチング誤差は避けられない。今後、様々な改良を続けスペクトル比較解析法の精度を上げる必要がある。窒素分子の振動・回転両温度分布を厳密に測定する実験は、当該研究者のグループ以外に世界的にも存在しないので、本年度の速い速度域でのCARS計測データは再突入問題を含めた世界の宇宙航空開発研究に大きく寄与するものである。
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Space Technology Japan (Special Issue of ISTS), Proc.Of 27^<th> ISTS 09-e-17(Proc.は発行済)(予定)
Proc.Of (27^<th> ISSW) (発行予定)
Proc.of the 4th International Symp. on Advanced Fluid/Solid Science and Technology in Experi-mental Mechanics (4th ISEM'09) CD-ROM, PaperF-V-1(ISEM J.予定)(J.予定)