研究概要 |
7,000m級深海に棲息する生物を探索・捕獲できる大深度仕様海中ロボット(AUV)の研究開発を行う。AUVはターゲットである数cm程度のクラゲ類を自動的に探索、発見、サンプリングする機能を備える。クラゲ類は遊泳力が微弱な浮遊生物のため、AUVによる全自動サンプリングは比較的容易だが、形態が多様であり遊泳中に姿を変化させる。そこで、本研究ではAUVのミッション遂行のため、(1)AUVによりクラゲを識別し、測位できる画像による自動識別システム、(2)画像とレーザーによりロボットから目標とするクラゲまでの位置を計測する測位システム、(3)目標としたクラゲをンプルとして採取するマニピュレーションシステムを開発する。次ぎに、7000m級大深度仕様AUVの実現のため、耐圧容器の高強度・軽量&小型化を目指して、ロボット艇体として用いるセラミクス製耐圧容器の開発を行い、AUV実機を開発する。研究の総合段階では、AUVミッション遂行に必要なセンサ類を搭載し、水槽および実海域での試験により機能を検証していく。7,000m深海への挑戦とそこに棲息する生物の自動識別とマニピュレーションとはAUVの進化にチャレンジングな課題であり、深海生命科学に新しい知見を与える。また、大深度仕様の高強度・軽量・小型セラミックス耐圧容器の開発は今後の海中工学に新しい世界を拓くものといえる。
|