研究課題
第二白嶺丸小笠原・沖縄海域航海(9月および10月に石油天然ガス・金属鉱物資源機構により実施)2航海に、岡村、浦、飯笹他が参加し、AUVを使用した熱水鉱床の精密マッピング、および海底試料サンプリングを行い、熱水鉱床を胚胎する地質構造の特徴抽出に関する研究を実施した。特に、AUV搭載深海三成分磁力計に関しては、沖縄トラフ伊是名海穴において熱水鉱床地域においては、おそらく世界初となるAUV深海探査による精密地磁気異常マップを作成することに成功した。本年度は、中央インド洋海嶺における潜水調査船「しんかい6500」を使用した熱水活動域探査航海計画を海洋研究開発機構に申請し、本年度後半に本申請が採択され、平成21年度に実施されることが決った。中央インド洋海嶺の調査海域がモーリシャス経済水域内であるため、玉木がモーリシャスに出張し、モーリシャス海洋研究所側と航海実施に係わる打ち合わせを行った。また12月には、米国地球物理学会で中央インド洋海嶺の地形、熱水噴出域探査の研究成果を玉木が発表した。島弧における熱水鉱床研究に関しては、明神礁海域の精密地形コンパイルを実施し、同海域のリフトの詳細構造を明らかにし、中新世の黒鉱を胚胎する東北日本北麓地域のリフト構造の比較研究を実施し、明神礁海域リフトと北麓地域のリフトが規模、地質構造において極めて類似した関係にあることを明らかにした。本研究成果は平成21年6月の資源地質学会で公表する予定である。また、本年度に申請した東京大学淡青丸による明神礁海域調査計画が採択されたので、平成21年度は平成20年度の同海域の精密地形、地質構造研究成果に基づき、新たな熱水鉱床発見を目指した航海を実施する予定である。明神礁海域においては、本年度の研究で過去30年間の浅発地震分布との関連を検討し、リフト内に地震活動の活発な地域を発見しており、この成果も航海計画に活用する。
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