(1)H22年11-12月に、インド洋熱水系探査航海を実施した。AUV'r2D4'および深海曳航システムを利用した深海磁場探査(担当:沖野)、現場海水化学分析(担当:岡村)を行った。現場海水化学分析に関しては、CTD採水システムにオンラインで接続・搭載するシステムを開発したほか、pHセンサは新しくガラス電極を用いたものを導入した。その結果、Kairei熱水フィールド付近の熱水プルームの広がりや熱水系を支える海洋性地殻の磁化構造や発達過程が明らかになった。 (2)H23年3月に、沖縄トラフにおけるAUV観測に参加し(担当:岡村)、現場海水化学分析を用いた探査を実施し改良したセンサの有効性を確認した。 (3)H23年6月に(船の運航計画がH22年度途中で変更されたため、繰越手続きによりH23に実施)伊豆小笠原弧全域をカバーする熱水系探査航海を実施し、精密地形測量(担当:沖野学生)と熱水プルーム探査(担当:岡村)を行った。これまでまったく未探査であった南硫黄島などの島弧南端部をはじめて調査した。新たな熱水系発見につながるデータは得られなかったが、1000km以上に及ぶ伊豆・小笠原背弧域の高分解能の地形データが得られ、過去の熱水系探査資料とあわせて熱水鉱床胚胎域の地質学的特徴について研究を行った。 (4)海底熱水鉱床探査に有効な海底近傍磁気探査に関し、積年の課題であった短波長成分を保存する解析手法を新たに開発し、実際のデータに適用してその有効性を確認した。その成果は国際誌に公表した。
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