研究課題の目的はナノメートル微小領域における有機半導体分子の配向(化学結合の方向)の画像観測を行うための測定手法の開発を行い、有機半導体素子の材料開発へ貢献することである。そのため具体的には、(1)有機試料を拡大観察できる光電子顕微鏡を備え、ナノ領域のX 線吸収スペクトルとその励起偏光角度依存性を測定することのできる回転機構付超高真空実験装置の開発を行う。(2)直線偏光軟X線励起による有機半導体薄膜の光電子顕微鏡像観測を行う。(3)単分子膜など特に薄い分子膜成長の初期段階において、有機半導体が分子配向を開始する段階を観測する。分子配向の機構を明らかにし高い配向度の有機半導体素子を与える実験条件を探索する。
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