研究課題
本研究は、これまで全く明らかになっていない植物の師部組織における細胞間シグナルセンターとしての役割を明らかにすることを目指している。そのために、本年度は、1)師部の分子マーカーを用いた師部分化系系の開発、2)師部によるシグナル受容の例としてのCOE1受容体の機能解析、3)師部細胞からのシグナル発信の例としての師部分泌性TDIF/CLE41ペプチドの機能解析、4)師部形成制御転写因子の同定を行った。まず、1)シロイヌナズナの単離葉肉細胞を用いた単細胞培養系の確立を目指した。そして、葉肉細胞の培養と細胞分裂の誘導に成功した。しかし、現時点では師部分化誘導には成功していない。2)3つの異なるcoe1アリルを用いて、維管束形成とブラシノステロイド作用の解析を行った。そして、イネブラシノステロイドシグナル系とCOE1シグナル系が一部でクロスしていることが明らかにした。その結果を、Plant Journal誌に発表した。3)CLE41の機能欠損変異体を用いて、内生のTDIFシグナルの働きを解析した。そして、CLE41由来のシグナルが実際に植物内で、維管束幹細胞の維持に働くことが明らかとなった。4)すでに作成してある維管束関連転写因子ライブラリーを用いて、師部分化特異的発現を示すCLE41遺伝子の発現を制御する転写因子の同定を試みた。具体的には、転写因子とCLE41::CUS認をタバコ葉に導入し、その相互作用を解析した。その結果、あるDOFタンパク質がCLE41遺伝子の転写活性を制御しうることが明らかとなった。
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