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2008 年度 実績報告書

小胞体ストレス感知の分子機構と応答破綻の影響解析

研究課題

研究課題/領域番号 20247026
研究機関京都大学

研究代表者

森 和俊  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70182194)

研究分担者 親泊 政一  徳島大学, 疾患ゲノム研究センター, 教授 (90502534)
原田 彰宏  群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (40251441)
キーワード小胞体 / 分子シャペロン / 転写誘導 / ノックアウトマウス / 選別輸送 / 還元 / 脂肪滴 / 心不全
研究概要

小胞体ストレス応答において重要な働きをする小胞体膜結合性転写因子ATF6について以下の解析を行った。
1) 小胞体ストレス感知の分子機構
ATF6エスコートタンパク質やATF6還元酵素を単離同定するため、野生型のATF6内腔領域にタンパク質精製用のタグをつけたコンストラクトを作製し、細胞にトランスフェクトし、得られた結合タンパク質を質量分析にかけた。その結果、BiP、PDI、カルネキシンという分子シャペロンやフォールディング酵素を単離することができたことから、この手法の有用性が確かめられた。今後変異型ATF6を使って目的タンパク質の同定を行う。
2) 脂肪肝形成への影響
ATF6αノックアウトマウスの腹腔に小胞体ストレス誘導剤ツニカマイシンを投与すると、肝臓が白色となり、3〜4日で死亡する。電子顕微鏡観察により、肝臓には大量の脂肪滴が蓄積していることを見いだした。肝臓内の中性脂肪の量は、取り込み、合成、分解、放出によって制御されている。放出を担う超低密度リポタンパク質の形成には、アポリポタンパク質Bが必須の役割を果たしているが、ツニカマイシン投与後のATF6αノックアウトマウスの肝臓中では、野生型の場合に比べ、アポリポタンパク質Bの量が大きく低下していることを見いだした。この結果中性脂肪が肝臓内に蓄積して脂肪滴を形成させると考えられたので、さらに減少の分子機構について解析を進める。
3) 心不全への影響
抗ガン剤ドキソルビシンを投与した野生型およびATF6αノックアウトマウスの心機能を超音波(エコー)検査により測定したところ、ノックアウトマウスで内径短絡率が有意に低下しており、ノックアウトマウスはドキソルビシン感受性であることがわかった。その原因を今後明らかにしていく。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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