• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

メダカ遺伝学を用いた脊椎動物体軸形成機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20247030
研究機関東京大学

研究代表者

武田 洋幸  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80179647)

キーワード左右軸 / 背腹軸 / メダカ / 突然変異体
研究概要

本研究では、(a)順遺伝学からの左右軸形成機構へのアプローチ、(b)ユニークなメダカDa変異体を用いた胚、成体の背腹パターン形成を制御するメカニズムの解明、の2点に絞った研究を実施した。
(a)に関しては、左右軸変異体abcとktuの原因遺伝子がコードするタンパク質に関連する解析を行った。AbcはPKD1l1のメダカ相同タンパク質であることが判明した(Kamura et al., 2011)。ドメイン解析の結果、細胞外の特定の部位が機能に重要であることが判明した。そのドメインを用いて、yeast two hybrid法によって、結合するタンパク質を複数同定した。そのタンパク質との相互作用の解析を進めている。一方、Ktuは類似タンパク質(PIH1D1,PIH1D2,Twester:PIHファイミリー)が軸糸ダイニン形成の別々のstepに寄与するという実験結果を得た。このファミリーのタンパク質の軸糸ダイニン形成への役割の全体像が明らかになりつつある。
(b)に関しては、(1)Da変異体を用いてzic遺伝子を中心としたネットワークを明らかにした。即ち、マイクロアレイ解析および詳細な発現解析により、Zic1/Zic4の下流遺伝子としてfhl2a、lfng、slitlaを同定した。Zic1/Zic4が体節背側におけるNotchシグナルの活性化およびrobola発現細胞の移動という2つの経路を介して背側形態を制御することが示唆された。(2)さらに、Da変異体の尾部形態に着目した解析より、zic遺伝子が尾部の形態進化に深く関与していることが判明した。即ち、zic遺伝子の尾部背側での発現の獲得が硬骨魚類の祖先で起こり、硬骨魚類を特徴づける正型尾(尾端が背側に歪曲した尾鰭)を生み出し、硬骨魚類の水圏での繁栄につながったことが示された(Moriyama et al, 2012)。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The medaka zic1/zic4 mutant provides molecular insights into teleost caudal fin evolution2012

    • 著者名/発表者名
      Yuuta Moriyama
    • 雑誌名

      Current Biology

      巻: 22 ページ: 601-607

    • DOI

      10.1016/j.cub.2012.01.063

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pkd111 complexes with Pkd2 on motile cilia and functions to establish the left-right axis2011

    • 著者名/発表者名
      Keiichiro Kamura
    • 雑誌名

      Development

      巻: 138 ページ: 1121-1129

    • DOI

      10.1242/dev.058271

    • 査読あり
  • [学会発表] 発生後期におけるzic1/zic4を介した背腹パターン決定機構2011

    • 著者名/発表者名
      島田敦子
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-22
  • [学会発表] zic1/4は真骨魚類における正型尾形成に必須である2011

    • 著者名/発表者名
      守山裕大
    • 学会等名
      日本動物学会第82回旭川大会
    • 発表場所
      大雪クリスタルホール(北海道)
    • 年月日
      2011-09-21
  • [備考]

    • URL

      http://www.biol.s.u-tokyo.ac.jp/users/hassei/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi