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2008 年度 実績報告書

作物による土壌蓄積リン資源の獲得戦略の多様性と施肥量削減への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20248003
研究機関大阪府立大学

研究代表者

大門 弘幸  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (50236783)

研究分担者 矢野 勝也  名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (00283424)
阿部 淳  東京大学, 農学生命科学研究, 助教 (60221727)
キーワード環境調和型農林水産 / フィチン / 有機態リン / ラッカセイ / リン肥料 / 窒素肥料 / 窒素固定 / 作付体系
研究概要

本年度は,ラッカセイのフィチン吸収機構の解析手法について検討するとともに,フィチン吸収能の品種間差異と回収リンの再利用に関しての試験を実施した.結果の概要は以下の通りである.
1.X線マイクロアナライザーで水耕栽培した作物根の横断面のリン含有率を測定したところ,リン無施肥状態で乾物重換算で0.5%程度のリン含有率が,リン施用後半日以内に1%以上に増加することが確認でき,次年度にこの方法でフィチン施用後の根のリン吸収を測定できる見通しが立った.トルイジンブルー染色によるフィチン蓄積部位の判定も試みたが,根細胞内のフィチン以外の組成によっても同様の発色を呈することがあり,判定は困難であった.
2.導入したCE/MS装置で各種イノシトールリン酸の最適な分析条件を探索した.その結果,汎用性のあるフユーズドシリカキャピラリーを用いても,m/zからイノシトール6リン酸に相当する物質を検出することができたが,その検出感度はそれほど高くなかった.これは,イノシトールリン酸の錯形成能が高く,キャピラリー内壁との相互作用が大きいためと思われた.そこで,キャピラリー内部をPVAでコーティングしたコーティングキャピラリーを用いて分析したところ,検出感度が顕著に改善された.今後は,未知試料内の濃度に応じて、両キャピラリーを使い分けて分析する予定である.
3.ラッカセイのフィチン吸収能は,スパニッシュタイプチコとバージニアタイプ千葉半立のいずれでも認められた.アーバスキュラー菌根菌の接種によるリン吸収の向上は本実験条件下では確認できなかった.また,圃場栽培した千葉半立の収穫後茎葉部を緑肥としてすき込んだ後に生育させたコムギ農林61号のリン吸収は,非すき込み区に比べて増大したが,その効果はラッカセイへの窒素施肥量によって変化した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Stomatal density of cowpea correlates with carbon isotope discrimination in different phosphorus, water and C02 environments2008

    • 著者名/発表者名
      Sekiya, N., Ynao, K
    • 雑誌名

      New Phytologist 179

      ページ: 799-807

    • 査読あり
  • [学会発表] 灰色低地土におけるラッカセイの収量および窒素とリンの吸収2009

    • 著者名/発表者名
      岸脇万実ら
    • 学会等名
      第227回日本作物学会講演会
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      2009-03-28
  • [学会発表] 低温条件下におけるヘアリーペツチの生育と根粒形成2008

    • 著者名/発表者名
      大門弘幸ら
    • 学会等名
      第29回根研究集会
    • 発表場所
      千葉科学大学
    • 年月日
      2008-11-07
  • [学会発表] Root nodule formation of hairy vetch as a green manure crop sown under low temperature condition2008

    • 著者名/発表者名
      Daimon, H., et al.
    • 学会等名
      The 5th International Crop Sci Congress in Korea
    • 発表場所
      韓国済州島国際会議場
    • 年月日
      2008-04-16
  • [備考]

    • URL

      http://www.plant.osakafu-u.ac.jp/~mishiba/Daimon_02.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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