バラ科サクラ属に特異なS-RNase 依存性配偶体型自家不和合性認識機構の解明

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20248004
• 研究種目: 基盤研究(A)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 園芸学・造園学
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 田尾 龍太郎 京都大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (10211997)
• 研究分担者: 山根 久代 京都大学, 大学院・農学研究科, 講師 (80335306) ; 羽生 剛 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教 (60335304)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2011
• キーワード: アーモンド / アンズ,ウメ / オウトウ / 核果類 / スモモ / S-Rnase / SFB

研究概要

バラ科サクラ属植物の多くは配偶体型自家不和合性を示し,このことがサクラ属果樹の栽培や育種を行う上での障壁となっている.本研究はサクラ属果樹における自家不和合性反応の分子機構を解明しようとしたものであり,まずサクラ属果樹の自家不和合性反応の雌ずいS因子であるS-RNaseと結合するアクチンを同定した.引き続いて花粉S因子であるSFBと結合するSkp1様タンパク質(SSK1)を同定し,さらにSFBやSSK1とともにSCF複合体を形成するCul1を同定することにも成功した.これらの結果に基づいて,バラ科サクラ属果における自家不和合性反応の分子認識機構に関する作業仮説を構築した.

研究成果

• [雑誌論文] Identification of a Skp1-like protein interacting with SFB, the pollen Sdeterminant of the gametophytic self-incompatibility in Prunus (2012)
  • 著者名/発表者名: Matumoto, D., H. Yamane, K. Abe, and R. Tao
  • 雑誌名: Plant Physiology
  • DOI: DOI:10.1104/pp.112.197343
  • 査読あり
• [雑誌論文] Isolation of pollen-expressed actin as a candidate protein interacting with S-RNase in Prunus aviumL. (2012)
  • 著者名/発表者名: Matsumoto, D. and R. Tao.
  • 雑誌名: J. Japan. Soc. Hort. Sci. 巻: 81 ページ: 41-47
  • 査読あり
• [雑誌論文] Molecular and genetic analyses of four non-functional Shaplotype variant derived from a common ancestral S haplotype identified in sour cherry (Prunus cerasusL.). (2010)
  • 著者名/発表者名: Tsukamoto, T., N.R. Hauck, R. Tao, N. Jiang, and A.F. Iezzoni.
  • 雑誌名: Genetics 巻: 184 ページ: 411-427
  • 査読あり
• [雑誌論文] Molecular basis of self-(in)compatibility and current status of S-genotyping in rosaceous fruit trees (2009)
  • 著者名/発表者名: Yamane, H. and R. Tao.
  • 雑誌名: J. Japan. Hort. Sci 巻: 78 ページ: 137-157
  • 査読あり
• [雑誌論文] A modifier locus affecting the expression of the S-RNase gene could be the cause of breakdown of self-incompatibility in almond. Sex (2009)
  • 著者名/発表者名: Fernandez i Marti, A., T. Hanada, J.M. Alonso, H. Yamane, R. Tao, and R. Socias i Company.
  • 雑誌名: Plant Reprod. 巻: 22 ページ: 179-186
  • 査読あり
• [雑誌論文] Cloning and characterization of a self-compatible Sfhaplotype in almond (Prunus dulcis(mill.) D. A. Webb. syn. P. amygladusBatsch) to ressolve previous confusion in its Sf-RNasesequence. (2009)
  • 著者名/発表者名: Hanada, T., K. Fukuta., H. Yamane, T. Esumi, and R. Tao.
  • 雑誌名: HortScience 巻: 44 ページ: 609-613
  • 査読あり
• [雑誌論文] Characterization of SLFL1, a pollen-expressed F-box gene located in the Prunus Slocus. Sex (2008)
  • 著者名/発表者名: Matsumoto, D., H. Yamane, and R. Tao
  • 雑誌名: Plant Reprod 巻: 21 ページ: 113-121
  • 査読あり
• [学会発表] バラ科サクラ属における自家不和合性花粉側因子SFBとSCF複合体構成要素間の相互作用解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 松本大生・田尾龍太郎
  • 学会等名: 平成24年度園芸学会春季大会
  • 発表場所: 大阪府立大学中百舌鳥キャンパス
  • 年月日: 20120328-29
• [学会発表] 不和合および和合受粉したウメ雌ずいのRNA-seq解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 羽生剛・尾畑智哉・田尾龍太郎
  • 学会等名: 平成24年度園芸学会春季大会
  • 発表場所: 大阪府立大学中百舌鳥キャンパス
  • 年月日: 20120328-29
• [学会発表] カンカオウトウにおけるS-RNase結合花粉タンパク質としてのアクチンホモログの単離 (2011)
  • 著者名/発表者名: 松本大生・田尾龍太郎
  • 学会等名: 平成23年度園芸学会秋季大会
  • 発表場所: 岡山大学津島キャンパス
  • 年月日: 20110924-26
• [学会発表] 育種・栽培化に伴うモモのS locusの進化 (2011)
  • 著者名/発表者名: 赤木剛士・花田俊男・八重垣英明・山口正巳・田尾龍太郎
  • 学会等名: 平成23年度園芸学会秋季大会
  • 発表場所: 岡山大学津島キャンパス
  • 年月日: 20110924-26
• [学会発表] アーモンドの自家和合性に関わるSf ハプロタイプの解析 (2010)
  • 著者名/発表者名: 田尾龍太郎・Fernandez, A. ・赤木剛士・花田俊男・Alonso, J.・Socias i Company, R
  • 学会等名: 平成22年度園芸学会秋季大会
  • 発表場所: 大分大学旦野原キャンパス
  • 年月日: 20100919-20
• [学会発表] モモとモモ近縁種におけるSハプロタイプの共通性 (2009)
  • 著者名/発表者名: 花田俊男・木部隆則・江角智也・山根久代・笹辺幸男・八重垣秀明・山口正己・Dandekar, A.M., Gradziel, T.M.・田尾龍太郎.
  • 学会等名: 平成21年度園芸学会秋季大会
  • 発表場所: 秋田大学手形キャンパス
  • 年月日: 20090926-28
• [学会発表] Sハプロタイプの解析により示唆されたモモの自家和合化機構 (2009)
  • 著者名/発表者名: 花田俊男・木部隆則・渡晶子・江角智也・山根久代・笹辺幸男・八重垣秀明・山口正己・Dandekar・A.M., Gradziel・T.M., Wunschi, A. ・田尾龍太郎
  • 学会等名: 平成21年度園芸学会秋季大会
  • 発表場所: 秋田大学手形キャンパス
  • 年月日: 20090926-28
• [学会発表] モモにおける自家和合性Sハプロタイプのクローニングと塩基配列解析 (2009)
  • 著者名/発表者名: 花田俊男・渡晶子・笹辺幸男・八重垣秀明・山口正己・田尾龍太郎
  • 学会等名: 平成21年度園芸学会春季大会
  • 発表場所: 明治大学駿河台キャンパス
  • 年月日: 20090319-20
• [学会発表] サクラ属果樹における花粉側因子SFBと相互作用するSkp1の同定 (2008)
  • 著者名/発表者名: 松本大生・山根久代・田尾龍太郎.
  • 学会等名: 平成20年度園芸学会秋季大会
  • 発表場所: 三重大学生物資源学部
  • 年月日: 20080927-29