研究概要 |
東アジアは,緯度方向に"緑のベルト"と呼ばれるように森林帯が連続している。そして,東アジアにおいては森林の水・エネルギー・炭素循環という環境条件を生み出す過程が,異なっていると考えられる.すなわち,放射量,降水量,飽差,気温,土壌水分量などの森林が存在する条件とそれらを利用する森林の条件が複雑に交錯している.そこで,我々は東アジアにおける北方林と熱帯林というフィールドを舞台に研究を推進してきた2グループを1つにまとめ,森林の多様性と普遍性と水・エネルギー・炭素循環(以下,W/E/C循環)に関する研究を進めてきている 本研究は東アジアに位置し多様な条件下に存在する森林の中から,シベリアの北方林,日本の温帯林,タイの熱帯季節風林,マレーシアの熱帯雨林をメインフィールドとして,W/E/C循環特性に関する現地観測・研究を進めきた研究者が共同し, (1) 異なる気候帯でのW/E/C循環に関わる森林の環境への応答特性(以下,「環境応答特性」)は,どの様な普遍性を持ち,その中でどの様な多様性を有しているのか? (2) これらの森林は,環境要因の変動に対してどの様に変動するのか? を明らかにするものである.そして具体的には, 1) 複数の陸面モデルを用いた,異なる気候帯に成立する森林の環境応答特性の現況評価と外力変動による森林の環境応答特性の変動の定量的評価 2) 異なる気候帯での長期変動を通した環境変動と森林の応答の変動評価である
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