研究課題/領域番号 |
20248018
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
今井 貴規 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (20252281)
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研究分担者 |
福島 和彦 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (80222256)
吉田 正人 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (30242845)
三屋 史朗 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教 (70432250)
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キーワード | ノルリグナン / 生合成 / 酵素 / 遺伝子 / 心材形成 / アガサレジノール / セクイリンC / スギ |
研究概要 |
(1)スギ心材ノルリグナン生合成と材色発現との関連の調査 昨年度の研究により、ノルリグナン含有量・組成、さらにその生合成、特にアガサレジノール水酸化が遺伝的に制御されていることが示された。一方、スギ材色は遺伝的に制御されていると言われている。ノルリグナン含有量・組成と材色との関連を調査した結果、これらの間に明らかな相関は認められなかった。すなわち、類似のノルリグナン含有量・組成を示すスギ材においても、材色が類似しない例が認められた。したがって、スギによってノルリグナンを着色物質へと変化させる活動に能力の違いがあるものと考えられ、その着色機構の解明が重要であることがわかった。 (2)ノルリグナン生合成に着目したスギ心材形成関連遺伝子の機能解析 スギ移行材(辺材が心材へと変化しつつある材部位)をノルリグナン量・組成の特徴に基づいて分画し、移行材部位特異的に発現している遺伝子機能の解析を試みた。約20の遺伝子についてクローニング・塩基配列解読・相同性検索・機能解析を行った結果、主に辺材側移行材で発現している2遺伝子が、bZip転写因子遺伝子ならびにスーパーオキシドジスムターゼ遺伝子と高い相同性を示した。これら2遺伝子は、乾燥等のストレスに反応して発現することが知られており、心材形成時の比較的早期に、材組織の水分減少に対応するための生理活動が起こっているものと考察できる。
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