研究課題/領域番号 |
20248018
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
今井 貴規 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (20252281)
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研究分担者 |
三屋 史朗 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教 (70432250)
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キーワード | ノルリグナン / 生合成 / 酵素 / 遺伝子 / 心材形成 / アガサレジノール / セクイリンC / スギ |
研究概要 |
(1)スギ心材色発現機構として、酵素酸化による心材成分ノルリグナン(アガサレジノール、セクイリンC)の二次変化(重合)を想定し、モデル的重合物の調製(市販フェノール酸化酵素による)とその構造解析、ならびにスギ心材から重合物の分離調製とその構造解析(モデル検証結果に基づく)を試みた。先ず、2種ノルリグナンそれぞれの単独重合物およびこれらの共重合物について、サイズ排除クロマトグラフィー、^<13>C-NMR、MALDI-TOFMS等の分析を行った結果、各試料がノルリグナン基本骨格を保持した重合物であり、重合度は~10量体程であることが確認された。分析結果の特徴として、^<13>C-NMRでは(1)基本骨格に相当する幅広のピークを示し(2)重合による新たな構造の形成により基本骨格中特定のピークが消失する、(3)MALDI-TOFMSでは単量体相当の分子量間隔のイオン群が生成する、などが認められた。このモデル検証結果を基に、心材抽出物のクロマトグラフィー低移動度画分について同様の分析を行った結果、本画分の化学構造は上記の(1)~(3)の特徴を示し、さらにはアガサレジノールよりセクイリンCを優勢な基本単位とすることが示唆された。したがって、初めてスギ心材中ノルリグナン重合物存在が確認されると共に、その化学構造特性が提出された。 (2)スギ移行材(辺材が心材へと変化しつつある材部位)をノルリグナン量・組成の特徴に基づいて分画し、移行材部位特異的に発現している約100の遺伝子についてクローニング・機能解析を行った。これらは一次代謝・二次代謝・転写因子・シグナル伝達・ストレス対応などそれぞれ関連遺伝子として分類され、これに基づき心材形成の開始要因や進行に伴う生物反応を考察することができた。 これまでの生化学的・分子生物学的・分析化学的全情報を互いに関連付け積算することによって心材形成機構・過程を統括的に考察することを試みた。
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