有用物質探索で重要な点は、ハイスループットなin vitroの試験をいかにして細胞を用いた試験系での生理活性に結びつけるかという点である。吉田らが提唱している、遺伝子過剰発現により生育に異常をきたす酵母の生育を正常に戻すことを指標とする試験系は、ハイスループットな点と細胞に対して効果を示すことの両者を同時に満たす優れた試験系である。海産無脊椎動物抽出液をこの試験系で調べ、カイメンTheonella swinhoeiからチアミンの生合成中間体を2種類得た。ついで、別種の未同定種カイメンから3種のステロイド配糖体を得た。
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