研究課題
基盤研究(A)
性ステロイドは発生段階の脳に作用して性分化を誘導し(形成作用)、性成熟後の脳に作用して雌雄それぞれの性的役割を発揮させる(活性作用)。さらに、近年性ステロイドが認知、記憶など脳の高次機能の維持や虚血性脳疾患からの回復に重要な役割を果たしていることが明らかになり、この作用は保護作用と呼ばれている。我々は、性ステロイドの保護作用は幾つかの成長因子の遺伝子発現を介すること、さらにその中には我々が同定した脳の性分化関連遺伝子(プログラニュリン: PGRN)が含まれることを見出した。このことは、形成作用と保護作用が作用メカニズムを共有していることを示唆している。本研究においては、PGRNノックアウトマウスや神経幹細胞の培養系などを用いたin vivoおよびin vitroの実験系を駆使して、(1)ステロイド/成長因子システムの中枢作用と作用機序、(2)PGRNの下流でその作用発現に関与する遺伝子/タンパク質群、(3)PGRNの神経幹細胞に対する作用と細胞内情報伝達機構、を明らかにすることにより、ステロイド/成長因子システムによる脳の形成作用と保護作用に共通する普遍的分子機構を解明することを目的としている。
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