研究課題/領域番号 |
20248033
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
橋床 泰之 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (40281795)
|
研究分担者 |
木村 淳夫 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (90186312)
崎浜 靖子 北海道大学, 大学院・農学研究院, 助教 (10344491)
玉井 裕 北海道大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (50281796)
原口 昭 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (50271630)
松浦 英幸 北海道大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (20344492)
|
キーワード | 根圏 / 歯体外ポリマー / 微生物増殖因子 / リン・窒素バランス / 酸化還元環境 / 有機物シンク / 環境負荷緩和 |
研究概要 |
根圏複合系の機能性微生物検索の一環として、スフィンゴモナス由来ポリマー類が難培養性微生物に対する生有促進効果を持つか否かを検討するため、北大キャンパス内圃場周辺に自生していたシロツメクサ根圏より得たSphingomonas paucimobilisを用いて、菌体外ポリマーの取得を試みた。その結果、Winogradsky's無機塩培地をベースに、0.5%スクロースおよび0.01%酵母エキスで培養した場合、大量の菌体外ポリマーを産生させることができることを明らかにした。また、北大キャンパス内の自生スカシタゴボウ(アブラナ科)並びにシロザ根圏から得た根圏細菌が上記培地を1.5%寒天で固めた平板培地に接種したトリコデルマ属糸状菌菌糸の生育を著しく促進することを明らかにした。また、別の卵菌類Aphanomycesでは、菌糸伸長と形態分化にアクチンタンパクの集合が関わることを観察した。インドネシアの酸性硫酸塩土壌水田で作付けされた現地イネの根圏から分離したBurkholderia cepacia 901-5B株のイネ苗立枯細菌病の抑制効果を解析中、イネ苗立枯細菌病細菌(Burkholderia plantarii)がイネ穎内皮着生細菌に由来する苗根面微生物群集の根面での増殖を完全に抑制しているのに対し、この拮抗細菌が共接種されると根面微生物群集の生育抑制を完全にキャンセルさせるという現象を見いだした。従って、根面微生物群集の多様化に、幾つかの微生物が主導的な役割を果たしている可能性が示された.さらに、ゴボウ芽生え根から分離したAgrobacteriumtumufaciensがβ-(1→3)-glucan(cadran)とは異なる、β-(1→3)結合とβ-(1→4)結合をもつglucanを産生することを突き止めた。熱帯泥炭土壌の植生が撹乱されることで、水位の低下と泥炭分解が進行すること、またそれに伴いリンの供給が増加することが示された。
|