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2008 年度 実績報告書

レドックス感受性TRPチャネル群の炎症性細胞遊走における意義の分子医学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 20249015
研究機関京都大学

研究代表者

森 泰生  京都大学, 工学研究科, 教授 (80212265)

キーワード生体分子医学 / 炎症 / 活性酸素種 / チャネル / カルシウム
研究概要

単球/マクロファージにおいて、活性酸素種により活性化されたTRPM2が活性酸素種によるケモカイン産生誘導に必須であることを明らかにした。また、炎症部位のマクロファージにおけるTRPM2依存的なケモカインの産生が好中球の炎症部位への浸潤を惹起し、炎症の増悪を引き起こしていることが明らかになった。本研究でTRPM2が単球/マクロファージにおいてケモカイン産生を引き起こし、好中球の浸潤を介して炎症を悪化させるメディエーターとして機能していることを明らかにした。
侵害性冷刺激によって活性化されるチャネルとして見出されたヒトTRPA1がNO、過酸化水素、プロトン、そして15-deoxy-Δ12, 14-prostaglandin J2 (15d-PGJ2)などといった様々な炎症性物質によっても活性化されることを明らかにした。ヒトTRPA1においてはマウスTRPA1のCys415、Cys422およびCys622に相当するCys414、Cys421およびCys621が存在するが、15d-PGJ2による活性化にはCys421およびCys621が重要である。ビオチン化15d-PGJ2を用いて15d-PGJ2の結合サイトを同定したところ、Cys621に強く15d-PGJ2が結合していることを我々は明らかにした。また興味深いことに、NOまたは過酸化水素によるヒトTRPA1の活性化にはCys421、Cys641およびCys665が、そしてプロトンによる活性化にはCys421がそれぞれ重要なシステイン残基であり、アゴニスト間で修飾するシステイン残基が異なることを示した。化学反応を行うための場であるTRPA1の立体構造が、アゴニストの特定なシステイン残基の修飾に影響を与えていることが考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Ca^<2+>-dependent induction of TRPM2 currents in hyppocampal neurons2009

    • 著者名/発表者名
      Olah ME, 他4名, Mori Y, Tymianski M, MacDonald JF.
    • 雑誌名

      J. Physiol.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Selective and direct inhibition of TRPC3 channels underlies biogical activities of a pyrazole compound.2009

    • 著者名/発表者名
      Kiyonaka S, 他20名, Mori Y.
    • 雑誌名

      Proc. Natl. Acad. Sci. USA

    • 査読あり
  • [雑誌論文] TRPM2-mediated Ca^<2+> influx induces chemokine production in monocvtes that aggravates inf lammatory neuropil infiltration2008

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto S., 他15名, Mori Y.
    • 雑誌名

      Nature Med. 14

      ページ: 738-747

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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