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2008 年度 実績報告書

EBウイルス関連胃癌.DNAメチル化亢進の分子機序解明と胃癌治療への展開

研究課題

研究課題/領域番号 20249022
研究機関東京大学

研究代表者

深山 正久  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70281293)

キーワードEBウイルス関連胃癌 / EBウイルス / 胃癌 / エピジェネティクス / STAT3 / DNMT1 / LMP2A / 胃癌細胞株
研究概要

EBウイルス関連胃癌におけるエピジェネティック異常:EBウイルス関連胃癌では,癌抑制遺伝子プロモーター領域CpG繰り返し配列のシトシンにメチル化を高頻度に起こしている.この機序を解明するため,組みかえEBウイルス感染系を用い,2卿メチル化とそれによる発現喪失が,EBウイルスを感染させた胃癌細胞株MKN1,MKN7において再現されることを見出した.さらに,潜在期ウイルス蛋白LMP2AがSTAT3発現充進,リン酸化充進を介して,DNMT1を構成的に活性化させメチル化を引起していることを証明した.培養液中のIL6濃度はむしろ低下し,IL11濃度も検出以下で,抗IL6抗体によってもSTAT3活性化に変化がない.IL6非依存性にLMP2AがSTAT3活性化を引起していると考えられた。
LMP2A遺伝子導入線維芽細胞の腫瘍形成能:レトロウィルスベクターを用いてLMP2AをNIH3T3細胞に遺伝子導入した.ヌードマウス皮下移植実験で,ベクターのみを導入した対照群では11匹中1匹に腫瘍が形成されたのに対し,LMP2A-NIH3T3細胞の移植では11匹中8匹に腫瘍が形成された.この系を用いることによって,腫瘍形成初期にLMP2Aと相互作用し,癌化に働く分子を探索する。
EBウイルス潜在期蛋白トランズジェニックマウスによるメチル化促進機構の解析:EBウイルス潜在期蛋白を胃特異的に発現させるため,胃壁細胞特異的H+K+-ATPaseプロモーターを用い,その下流にLMP2A,EBNA1遺伝子を結合させた組み換えベクターを構築した.このベクターを用いて作成したLMP2Aトランスジェニックマウスを長期に観察していたところ,十二指腸に異型上皮病変の発生が確認された。
(連携研究者:宇於崎宏講師,坂谷貴司助教,牛久哲男助教,森川鉄平助教,日野るみ助教,菊地良直助教,仲矢丈雄特任助教)

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Activation of DNA Methyltransferase 1 by EBV Latent Membrane Protein 2A Leads to Promoter Hypermethylation of PTEN Gene in Gastric Carcinoma2009

    • 著者名/発表者名
      Hino R,et al.
    • 雑誌名

      Cancer Res 69

      ページ: 2766-2774

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Bortezomib-induced enzyme-targeted radiation therapy in herpesvirus-associated tumors.2009

    • 著者名/発表者名
      Fu DX, et al.
    • 雑誌名

      Nat Med 14

      ページ: 1118-1122

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Epstein-Barr virus and gastric carcinoma: virus-host interactions leading to carcinoma.2008

    • 著者名/発表者名
      Fukayama M, et al.
    • 雑誌名

      Cancer Sci. 99

      ページ: 1726-1733

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 胃癌発生におけるEBVの役割.2008

    • 著者名/発表者名
      日野るみ,深山正久
    • 雑誌名

      日本臨床 (66巻増刊5)

      ページ: 76-79

  • [雑誌論文] 胃癌でのDNAメチル化異常2008

    • 著者名/発表者名
      坂谷貴司ら
    • 雑誌名

      分子消化器病 5

      ページ: 358-363

  • [雑誌論文] EBV関連胃癌2008

    • 著者名/発表者名
      日野るみ,深山正久
    • 雑誌名

      消化器外科 31

      ページ: 854-857

  • [学会発表] Epstein-Barr virus関連胃癌におけるDNAメチル化の網羅的解析.2008

    • 著者名/発表者名
      松坂恵介ら
    • 学会等名
      第67回日本癌学会総会
    • 発表場所
      名古屋 名古屋国際会議場
    • 年月日
      2008-10-28
  • [学会発表] EBV関連胃癌におけるケモカインの発現2008

    • 著者名/発表者名
      新谷裕加子ら
    • 学会等名
      第97回日本病理学会総会
    • 発表場所
      金沢 ホテル日航金沢
    • 年月日
      2008-05-16
  • [学会発表] 著明なRussell bodyの出現を伴ったEBV関連胃癌の一例.2008

    • 著者名/発表者名
      篠崎綾ら
    • 学会等名
      第97回日本病理学会総会
    • 発表場所
      もてなしドーム地下広場
    • 年月日
      2008-05-15
  • [学会発表] 破骨細胞型巨細胞の出現を伴った胃癌の4例.2008

    • 著者名/発表者名
      牛久哲男ら
    • 学会等名
      第97回日本病理学会総会
    • 発表場所
      金沢 もてなしドーム地下広場
    • 年月日
      2008-05-15
  • [図書] EBウイルス改訂第2版(分担執筆)2008

    • 著者名/発表者名
      深山正久
    • 総ページ数
      230
    • 出版者
      診断と治療社
  • [備考]

    • URL

      http://pathol.umin.ac.jp

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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