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2010 年度 実績報告書

マラリア原虫転写因子を手掛かりとした「ゲノムワイド」な宿主侵入関連遺伝子群の探索

研究課題

研究課題/領域番号 20249023
研究機関三重大学

研究代表者

油田 正夫  三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90293779)

キーワードマラリア / 転写因子 / ゲノム / 感染機構
研究概要

マラリア原虫のステージ特異的遺伝子発現機構の解明は、感染の分子基盤を理解するための重要な手掛かりとなる。我々は、ネズミマラリア原虫Plasmodium bergheiを用いた研究により、マラリア原虫のライフサイクルの各ステージにAP2関連転写因子が発現していること、これらの転写因子はステージ特異的な遺伝子発現において中心的な役割を果たしていることを見出した。蚊の中腸に侵入するステージであるオオキネートでは、転写因子AP2-0(AP2 in ookinetes)が、これまで報告されている全てのオオキネート期特異的な遺伝子の発現を制御していること、したがってオオキネート期のマスター転写因子である可能性が高いことを報告した。また。ChIP-seq法用いAP2-0の標的遺伝子を「ゲノムワイド」に探索し、200以上の標的遺伝子を制御していることを証明した。また肝臓に侵入するステージであるスポロゾイトの転写因子AP2-Sp(AP2 in sporozoites)を同定し、AP2-0と同様にこの時期の侵入、感染に必要な遺伝子群のほぼすべてを誘導するマスター転写因子であることを報告した。またAP2-SpのDNA結合ドメインを有するキメラ転写因子を蚊侵入ステージであるオオキネートに発現させることで、30以上のAP2-Sp標的遺伝子をオオキネート期に誘導することに成功した。
本年度は新たに血液感染ステージで複数の転写因子を同定した。そのうちAP2-G(AP2 in gametocytes)はsexual stageである生殖母体に特異的に発現し生殖母体の成熟に必須な転写因子であった。また雌生殖母体にはこれとは異なる転写因子AP2-G2が発現し、雌生殖母体の成熟に必須であることを証明した。現在それらの標的遺伝子について詳細な解析を進めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Production of IFN-γ by CD4(+) T cells in response to malaria antigens is IL-2 dependent2010

    • 著者名/発表者名
      Kimura D, Miyakoda M, Honma K, Shibata Y, Yuda M, Chinzei Y, Yui K
    • 雑誌名

      Int.Immunol.

      巻: 22 ページ: 941-952

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Functional identification of the Plasmodium centromere and generation of a Plasmodium artificial chromosome2010

    • 著者名/発表者名
      Iwanaga S, Khan SM, Kaneko I, Christodoulou Z, Newbold C, Yuda M, Janse CJ, Waters AP
    • 雑誌名

      Cell Host Microbe

      巻: 20 ページ: 245-255

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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