(1)(主として関山担当)-(1)日周リズム(サーカディアンリズム)によるサイトカイン類の血中濃度変化の解明 ボランティアヒト20名を対象として、1時間毎に血液と唾液を採取、IL18、TNF-alphaを含む30種類以上のサイトカイン、キマーゼ等の血中酵素群、ホルモン(以下サイトカイン類と記述します)を網羅的に測定、日周リズムによるサイトカイン類パターン変化を明らかにする。 (1)-(2)計算課題負荷の、サイトカイン相関パターンに対する影響の検討 ボランティアから、内科的、精神医学的診察によって健常と認められる30名を選択。クレペリン課題を45分を1クールとして負荷。クール毎に唾液、血液中のサイトカイン類の濃度を測定。分泌パターンへの影響を明らかにする。 (1)-(3)運動課題負荷の、サイトカイン相関パターンに対する影響の検討 (1)-(2)の被験者にエアロバイク課題を45分を1クールとして負荷。唾液、血液を採取。サイトカイン類の濃度を測定、分泌パターンへの影響を明らかにする。以降の年度では(1)-(2)と(3)の結果を総合し、別の集団で再現性を確認。精神的負荷と肉体的負荷に対応するマーカーを確立する。 (1)-(4)労働によるサイトカインパターン変化の検討 医療従事者80名を対象に、夜勤の前後で血液、尿、唾液を採取し、同時に生理学的諸指標(体重、心拍、血圧、歩数ほか)を記録、さらに質問紙による心理テスト(GHQ28、MAS、SDS、自覚症しらべ、FFI、TEG等)を施行。サイトカイン類レベルと生理学的諸指標および心理状態との相関を検定。有意相関するものについては人格傾向毎に定量的変化を検討。労働内容及び強度がサイトカイン類レベルに与える影響を、総合的に明らかにする。 (1)-(5)ストレスハイリスク群における相関パターンの検討 (1)-(1)、(4)の参加者のうち、心理テストで一般的に健常とされるスコア以上のものをストレスハイリスク群に分類し、小規模(20名程度)の追跡研究を行う(精神科医のインタビューによる評価も行い、倫理的見地から希望者にはカウンセリングも行う。) (2)(主として関山、千田担当)-(1)NADPHオキシダーゼ欠損マウスのストレス応答に対する検討 NADPHオキシダーゼタイプ2欠損マウスに対し拘束ストレスと単数飼育ストレスとをそれぞれ負荷。血液、脳、副腎を採取。ストレス下のサイトカイン類の変動および分泌機構を明らかにする。 (2)-(2) ACTHレセプター欠損マウスのストレス応答に対する検討 研究分担者千田らが作出したACTHレセプター欠損マウスを対象に、2-(1)と同様の検討を行う。ヘテロ欠損個体も用いるが、ホモ欠損個体の生存率が極めて低いため、検討に要する期間を長期間とした。 (3)-(1)(主として関山、内村担当)ストレス下のリンパ球ホーミング機構の解明ストレス後のリンパ球ホーミングの変化および制御機構を明らかにする。 (3)-(2)(主として関山、笠原担当)ストレス下の樹状細胞機能変化の検討 拘束ストレス及び単数飼育ストレスが樹状細胞のT細胞活性化能に影響を与える際に鍵となるサイトカインを、IL18、TNF-alphaの役割を検討する。遺伝子欠損マウス等を用いて明らかにする。
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