研究課題
私達はヒト心筋生検組織より心筋分化可能な多能性間葉系幹細胞(CSC)の単離・増幅に成功した。この幹細胞の心筋分化効率は1-2%と低く、増殖能も遅く、世界中が心筋分化誘導・増殖促進因子を探索している。申請者らが心筋より単離成功した新規の心筋分化・増殖誘導因子(Cv2, MuRC)を中心に、初期心筋分化プライミング因子群の解析を実施した。(Cv2) cDNAサブトラクションスクリーニング法とディファレンシャルスクリーニング法を組み合わせる事によって、「初期プライミング因子」群の候補になりえる6因子同定した。そのなかでも、比較的新規とされる骨形成タンパク質(BMP)結合タンパク質であるcrossveinless-2(Cv2)に注目し解析を進めている。(MuRC)心臓Z-disk特異的に発現するmuscle-restricted coiled-coil rotein (MuRC)の解析による心筋分化誘導メカニズム解明心筋細胞のサルコメアの両端に位置するZ-discは、心筋の伸展を感知し、肥大や生存のためのシグナルを伝達し、心不全発症に重要な役割を担っている。申請者らは、成人心臓に発現している遺伝子の網羅的な探索を行い、心臓、骨格筋、血管平滑筋にのみ発現している筋細胞特異的新規遺伝子MuRCの単離に成功した。MuRCはactininの局在と一致して心筋Z-discに存在した。Tg-MuRCは著明な心筋細胞肥大と心電図上PR間隔の延長を認め、完全房室ブロックや心房細動を呈した。さらに、MuRC-Tgは心筋間質の著明な線維化と拡張した左心室径および低下した心駆出率も示した。MuRcはZ-disk存在蛋白であるため、まずMuRc-Tgで発症した心筋肥大誘導と心房細動の原因遺伝子の同定や心不全という表現型解析のため、MuRC-Tg群とNT-g群の左房と左室のそれぞれからmRNAを回収し、マイクロアレイにて遺伝子群を網羅的に検索する。MuRCはZ-Diskに存在するので、yeast-two hybrid法にて結合蛋白も同定する。
すべて 2008
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