研究課題/領域番号 |
20249046
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
松原 弘明 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10239072)
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研究分担者 |
上山 知己 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (80379388)
的場 聖明 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (10305576)
天野 克也 京都府立医科大学, 医学研究科, 博士研究員 (70468263)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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キーワード | 再生医学 / 循環器・高血圧 / 内科 / 臨床 / 心筋幹細胞 |
研究概要 |
ヒト心筋生検組織より単離した心筋分化可能な多能性間葉系幹細胞(CSC)より得たcDNAのサブトラクションスクリーニング法とディファレンシャルスクリーニング法を組み合わせる事によって、「初期プライミング因子」群の候補になりえる6因子同定した。そのなかでも、比較的新規とされる骨形成タンパク質(BMP)結合タンパク質であるcrossveinless-2(Cv2)1こ注目し解析を進めた。心臓発生過程では初期胚の側方に位置する心臓発生領域において、間葉系細胞が周囲の内胚葉/外胚葉から分泌される細胞増殖因子(BMP等)の刺激により転写因子活性を生じ、多くの遺伝子の段階的で複雑な働きが開始されることにより心筋細胞が分化するとされる。従ってBMP結合タンパク質は間違いなく重要な役割を果たしていると考えられる。 Cv2についてH21年度に得られた研究成果として、(1)発生過程において2相性に発現し、BMP結合タンパク質でBMP情報伝達系の阻害物質であるNogginと同様に、Cv2がBMP情報伝達系の抑制作用を持つことを明らかにした。(2)内因性Cv2の役割を検討するために、RNAiの手法を用いて心筋細胞分化発生初期のCv2の発現を抑制したところ、幹細胞の心筋細胞への分化が著しく阻害された。(3)遺伝子レベルの検討では、当該幹細胞は心臓中胚葉に分化するよりもむしろ内胚葉に分化していた。(4)さらにCv2蛋白を外的に添加することで分化過程がほぼリバースされる事が明らかになった。以上の事より心筋細胞分化プロセスにおいて初期中胚葉誘導期にはBMP感受性の重要な過程が存在し、初期プライミング因子群の一つであるCv2はこの過程において心臓中胚葉への道標的な役割を果たしていることが想定される。これらの解析は、心筋再生医学のネックとも言えるセルソース(再生治療用細胞資源)の問題を解決する糸口を得る突破口になる可能性があると考えている。
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