1. WNK4ノックインマウスにみられたNCCのリン酸化をOSR1/SPAKキナーゼが実際に生体内でも担っているかを明らかにするためにDario Alessi博士より提供されたOSR1ノックインマウスとSPAKノックインマウス(ともにリン酸化酵素として機能しない変異体)と我々のWNK4(D561A)ノックインマウスと交配しOSR1ヘテロ・SPAKホモ・WNK4(D561A)ヘテロトリプルノックインマウスを作成した。NCCのリン酸化は、OSR1/SPAKのアレルが一つずつ非活性化されるに従い低下し、生体内でもNCCのリン酸化はOSR1/SPAKに依存していることが判明した(投稿準備中)。 2. WNK4ノックアウトマウスの解析を終了し、野生型WNK4は今まで言われていたようなNCCの負の制御因子ではなく、正にNCCを制御していることが明らかとなたった(投稿中)。 3. 外因性のアルドステロン投与やアルドステロン阻害薬の投与でOSR1/SPAK-NCCのリン酸化に変化が現れるかを検討し、WNK-OSR/SPAK-NCC系の上流にアルドステロンが存在することを示した(Chiga et al. Kidney Int 2008)。 4. WNKキナーゼの活性化機構を培養細胞系にて検討し、高張液、低張液ともにWNKキナーゼを活性化するが、そのメカニズムは異なること、さらに低張液での刺激は、低張性そのものと言うよりは、外液のClイオン濃度の低下が重要であることを明らかにした(投稿準備中)。
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