研究概要 |
パーキンソン病の遺伝的リスクファクターとしてGBA(glucocerebrosidase)遺伝子に着目し,534名のパーキンソン病症例および544名のコントロール例を対象として,Gaucher病の病因遺伝子である(GBA)について,全エクソン,スプライス部位の網羅的なresequencingにより,Gaucher病の発症に関与するGBAのヘテロ接合性変異の頻度が,パーキンソン病症例において有意に高値であることを見出した(オッズ比:28.0、95%CI:4.3-238.3)。さらに,国際的な共同研究により,GBAのヘテロ接合変異が,人種を超えて,パーキンソン病の強い遺伝的リスクとなっていることを証明した.この結果は,common di sease-common variants仮説ではなく,common disease-multiple rare variants仮説の重要性を証明するものである.この,common disease-multiple rare variants仮説に立って,パーキンソン病発症のリスクファクターを解析するために,多数のパーキンソン病症例について,pooled DNAを調製し,barcode indexingの後に,次世代シーケンサーを用いてallele頻度を定量することにより,multiple rare variantsの検出を可能にする方法を開発した.GBAヘテロ接合変異の病態生理機序については,ライソソーム機能,特にミトコンドリアの品質管理(mitophage)に注目した生化学解析を開始した.赤字が今年度分です.ほかは昨年のものですのでご注意ください.
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