研究代表者のグループは効率の良いウイルスベクターによる遺伝子導入法を利用して、マウス骨髄移植による白血病モデル(マウスBMTモデル)を構築した。平成20年度は、1)ヒトMDS患者由来の転写因子AML1のRunt相同部分変異体がマウスに5-10ヶ月でMDS様症状を誘導すること、一部のマウスは白血病に移行すること、Evi1と同時に発現させると全例で2-3ヶ月以内に白血病で死亡すること、2)Bcr-Ab1に加えて分化抑制効果を有するHes1を過剰発現させると、マウスでCMLではなく急性白血病を早期に誘導すること、3)C/EBPaはマウス骨髄移植モデルにおいて長い潜伏期間の後、白血病発症を誘導することを示した。また、発現クローニングで1L-3依存性HF6細胞に自律増殖性を与える遺伝子として同定したRasGRP4に関する結果をまとめてInt J Hemato1誌に投稿し受理された(現在印刷中である)。Hes1の論文は準備中である。
|