研究課題
本研究のテーマは、特殊な臨床例に着目し、大きな遺伝子効果による著しい病態をクローズアップし、その病態変化をプロトタイプとして、一般症例まで敷衍することである。この趣旨に基づき、染色体転座から報告者が独自に同定したDISC-Mの解析を行った。20年度にはyeast two-hybrid法で7つのbinding partnerを同定し、それらがneurodevelopmentに影響することを明らかにした。21年度は本研究のテーマを支持するrare variant-common disease仮説に基づいてDISCMのresequenceを行った。対象は統合失調症500例、双極性障害400例を含む約1400名のDNAを用いた。その結果、11箇所に既知のSNPsを同定し、新規な変異(minor allele frequency, MAF<0.01)およびSNPsを26箇所に同定した。2ヶ所はミスセンス変異であった。興味深いことに、ミスセンス変異を持った2症例は、それぞれ双極性障害で精神病症状を持った非定型な病像を呈していた。こうした稀な変異は比較的大きいオッズ比をもつ大きな遺伝子効果を持つ可能性が示唆された。DISC-Mのノックアウトマウスを用いて水迷路試験を行ったところ、野生型に比べ有意に標的に到着する潜時が長く、学習・記憶が障害されている可能性が示唆された。
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