研究課題
<Nek2の基礎的研究と臨床病理学的研究>胆管癌症例29例の癌組織でのNek2の発現に関してreal time PCRを行ない、その発現量と術後生存期間を比較検討した。Nek2の高発現症例における術後生存期間は、低発現量症例より有意に短く、予後不良であった。またNek2の発現量と腫瘍マーカーCA19-9には相関を認めたが、CEAには相関を認めなかった。胆管癌細胞株HuCCT1、膵癌細胞株KLMへNek2 siRNAの投与し、その24時間後の遺伝子発現に関して、DNAアレイ法による網羅的遺伝子解析をおこなった。現在シグナル伝達系に関して解析を行っている。<抗癌剤、放射線との併用による包括的治療法の開発>胆管癌細胞株HuCCT1、膵癌細胞株KLMへのNek2 siRNAと抗癌剤CDDPの併用投与後の遺伝子発現についてDNAアレイ法を用いて網羅的遺伝子解析を行った。併用投与群においてはNek2 siRNA単独投与、抗癌剤単独投与群の場合とは異なる遺伝子群を同定した。これらの同定した遺伝子についてshRNA(short haitpin RNA)を発現させるウイルスベクターを作成した。現在このウイルスベクターを膵癌細胞株KLMに導入し、恒常的にこの遺伝子の抑制が可能な細胞株の樹立を行っている。<担癌動物実験モデルを用いた包括的治療法の効果および安全性の検討>膵癌細胞株KLMによるマウス腹膜播種モデル、ラット肝転移モデルを用いて抗癌剤投与時のNek2 siRNA同時投与による癌細胞への導入効率、副作用の検討を行った。併用による副作用等は認めなかった。
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Cancer Lett.
巻: 296(1) ページ: 27-34
Cancer Sci.
巻: 101(5) ページ: 1163-1169