研究課題
虚血脳に対する皮膚由来幹細胞の移植実験GFP-transgenicマウスの耳介より採取した組織から、浮遊培養糸で、皮膚由来幹様細胞を作成した。この細胞を、虚血損傷後のマウス梗塞脳に移植した。移植細胞が、うまく生着せず、虚血条件や移植条件を変えて実験を行った。結果、4週間後には移植細胞が生着生存した。移植細胞は、穿刺針の腔に沿って1ヶ所に集族して存在しており、梗塞に陥った脳全体に遊走移動している所見は認められなかった。これらの細胞を、神経系細胞の抗体であるNeuN、GFAPで蛍光染色したが、いずれも染色されず、移植生存細胞は、マウスの神経症状(片麻痺)を改善しなかった。皮膚由来幹様細胞は、組織採取の容易さと、自家移植が可能なため免疫抑制剤が不要という、大きな利点を持つが、生体内での生着や分化の条件が重要と考えられる。脳虚血後海馬神経細胞におけるプロテオミクス解析脳組織におけるプロテオミクス解析を進めてきたが、蛋白質同定に当たり、もともと発現量の少ないものを同定することに、大きな困難を伴い、詳細な条件検討を必要とした。特に、ゲルからの蛋白溶出過程において、trypsinなどの酵素の種類、量、反応溶液量などの工夫を必要とされた。結果として、質量分析における同定率を高めることができ、36因子が耐性の候補因子としてあげられ、そのうち、可能性の高い9因子を同定をすることができた。HIF-1トランスジェニックラットより確実なHIF-1発現をとらえるために、両側内頚動脈閉塞時間を様々に調節し、さらに脱血による低血圧を閉塞時間中に加えることで側副血行路の違いによる個体差を排除した。検討の結果、ラットにおける最適な虚血負荷の程度を見出した。 (平均血圧40±10にて10分間の両側内頚動脈閉塞)
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J Neurosurg Pediatr 3
ページ: 488-495
J Biol Chem 285
ページ: 667-674