研究課題/領域番号 |
20249071
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
前川 剛志 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60034972)
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研究分担者 |
松崎 益徳 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60116754)
泉 友則 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00261694)
笠岡 俊志 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90243667)
鶴田 良介 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (30263768)
藤田 基 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50380001)
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キーワード | 網羅的プロテオーム解析 / 質量分析計 / 蛋白質カタログ / 医師主導型臨床研究 / ナノフロー高速液体クロマトグラフ |
研究概要 |
<全体>:平成21年度は、引き続き臨床検体のタンパク質解析、バイオマーカースクリーニング、および診断法への応用を進めた。また、臨床検体および解析データに関する情報保護のためにNEC社製セキュリティーサーバーを導入し、解析データの一覧表示機能などを新たに付加した。 <臨床検体スクリーニング>:汎用性の高いウエスタンブロット法での多検体スクリーニングを検討した。48検体について一度に複数のバイオマーカーを測定できる多検体高速スクリーニングシステムを構築し、敗血症のスクリーニングに応用した。CRPを含む7種類のタンパク質について、コントロールを含む75名の血清に対してバイオマーカーとしての有用性を検討した結果、新たに2種類のタンパク質について敗血症病態との相関が確認された。 <蘇生後脳症>:患者脳脊髄液の大規模定量解析により同定された約300種類のタンパクの挙動から、(i)蘇生後脳症患者群における血液脳関門の破綻、(ii)予後不良群における中枢神経組織損傷、(iii)酸化ストレス応答亢進、(iv)好中球や単球の活性化が示唆された。最終的に、予後良好群に比べて予後不良群で2倍以上の増加を示した15種類のタンパク質を"予後不良マーカー"とした。これまでに、新規マーカーを含む9種類について、コントロールを含む22名の脳脊髄液に対してスクリーニングを行い、カルシウム結合タンパク質、シグナル分子、代謝酵素などを含む4種類について、患者予後予測における有用性を確認した。 <診断技術>:新規バイオマーカーの臨床応用に向けて、急性期の病態把握や予後判定に有用な簡易測定法を検討した(100ng程度の新規マーカーを15分以内に検出可能)。
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