研究分担者 |
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30178644)
古谷野 潔 九州大学, 歯学研究院, 教授 (50195872)
窪木 拓男 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00225195)
前田 芳信 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (10144510)
馬場 一美 昭和大学, 歯学部, 教授 (80251536)
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研究概要 |
本研究の目的は,臼歯部遊離端欠損(短縮歯列)を有する患者への補綴治療(部分床義歯またはインプラント義歯)により,患者の口腔関連QoLおよび主観的または客観的咀嚼能力が向上するかどうかを明らかにすること,補綴装置の種類(部分床義歯またはインプラント義歯)により,口腔関連QoLと咀嚼能力の回復の程度が異なるのかを明らかにすることである.平成21年度は,ベースラインでの患者データ採得,データ解析,統計分析を行った.平成21年4月から11月まで全施設で研究参加者の募集を行い,基準に適合した患者を被験者として問診,口腔内診査,OHIP-J54を用いた口腔関連QoLの評価,食品摂取状況アンケートを用いた主観的咀嚼能力の評価,試験用グミゼリー(UHA味覚糖社製)を用いた客観的咀嚼能力の評価を行った.グミゼリー法の施設間でのキャリブレーションを行うことを目的として,各施設で8名の健常有歯顎者で客観的咀嚼能力の評価を行った. 178名の患者で研究への参加同意が得られ,145名(平均年齢63.4歳,男性割合26%)でベースライン評価を行った.経過観察が59名,部分床義歯が60名,インプラント義歯が25名であった.補綴介入の予定の有無を従属変数,性別,年齢,オクルーザルユニット(OU)喪失数,咀嚼不具合の有無を独立変数としてロジスティック回帰分析を行った.全被験者を対象とした解析の結果,OU喪失数が多く,咀嚼に不具合があることが補綴介入を選択する有意な因子であった.次に,第1大臼歯と第2大臼歯の咬合が喪失している被験者を対象として解析した結果,咀嚼の不具合が有意な因子であった.客観的咀嚼能力については,OU喪失数が増加するに従って咀嚼能力値は低下したが,グループ間では有意差は認められなかった.
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