研究課題/領域番号 |
20249078
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
辻 孝 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (50339131)
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研究分担者 |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯学総合, 教授 (00225195)
春日井 昇平 東京医歯大学, 医歯学総合, 教授 (70161049)
友岡 康弘 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (10197949)
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キーワード | 再生 / 歯 / 再生医療 / 幹細胞 / 歯胚 |
研究概要 |
平成20年度の研究は、研究実施計画に沿って予定通り進捗し、下記の成果を得た。 1)歯の再生治療に利用可能な組織幹・前駆細胞の探索研究歯形成能を有する上皮・間葉細胞を探索する目的で、p53ノックアウトマウスや正常マウスの歯胚、口腔粘膜、歯肉、歯髄、歯根膜より各種初代培養細胞、並びに株化細胞を得た。これらの細胞種について、歯形成能の評価を実施したところ、p53ノックアウトマウスの胎仔(E18)口腔粘膜上皮細胞株、並びに成体マウスの歯肉上皮細胞株の一部のクローンに歯形成能があることを見出した。 2)人工歯胚・再生歯の移植システムの開発再生歯胚移植による再生歯の萌出を目指して、第1臼歯部位における歯喪失移植モデルを構築し、再生歯が萌出、咬合することを明確化した。この再生歯は、実験的矯正により歯槽骨のリモデリングを惹起すると共に、矯正や歯髄への侵害刺激を中枢に伝達しうる神経の再構築が起きていることを明らかにした。この成果は、器官原基を生体内へ移植し、機能的な器官を再生した点で非常に高い価値がある。 3)次世代ハイブリッド型インプラントと歯周病治療法の開発繊維性のハイドロキシアパタイト材料を作製し、この材料が骨再生のための吸収性の足場として有効であることを動物実験で明らかにした。さらにハイドロキシアパタイトの周囲に歯小嚢細胞、または歯小嚢細胞シートを配置して、成体の口腔内へ移植し、歯周組織の形成過程を検討している。 4)歯胚形成誘導遺伝子を用いた歯の再生医療システムの構築に向けた探索研究器官原基法による作製した再生歯胚の初期発生において、再構成後20時間目に発現が4倍以上、上昇する遺伝子をマイクロアレーより選択し、初期発生胎児の顎における遺伝子発現をwhole-mount in situハイブリダイゼーションを行い、歯胚の初期誘導に関与する遺伝子の絞込みを進めている。
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