研究課題
平成22年度の実施計画に従って研究を実施し、下記の研究成果を得た。1) 歯の再生治療に利用可能な組織幹・前駆細胞の探索研究 p53欠損マウスより樹立した胎仔歯胚由来上皮系細胞株、および間葉系細胞株が歯形成能を有することを明らかにした。さらにヒト若齢歯胚組織を免疫不全マウスに移植することにより、象牙質、セメント質、歯根膜を形成可能な細胞が存在することを示した。2) 人工歯胚・再生歯の移植システムの開発 完成した再生歯を製造する目的で、器官原基法により再生した歯胚を、形態制御デバイスを用いて腎臓皮膜下で発生させることにより、歯根膜と歯槽骨を有した再生歯(再生歯ユニット)を歯の長さを制御して作製する方法を開発した。この再生歯ユニットを歯の喪失部位に移植して歯を再生するシステム開発を行い、レシピエント歯槽骨と骨性結合により生着させることを可能とした。生着した再生歯は十分な硬度を有しており、歯根膜を介した歯槽骨のリモデリング能や中枢へ侵害刺激を伝達しうる神経機能を有することから、成熟器官である再生歯ユニットの移植による歯の再生治療の実現可能性を実証した。3) 次世代ハイブリッド型インプラントと歯周病治療法の開発 次世代ハイブリッド型インプラントに応用可能な、歯周組織を形成しうる細胞シーズ探索を実施し、マウス胎齢18日の歯小嚢組織が歯根膜損傷部位移植により歯周組織再生を促進すること、さらに同歯小嚢組織をハイドロキシアパタイト(HA)周囲に配置して腎皮膜下移植することによりHA表層に歯周組織を形成可能であることを明らかにした。4) 歯胚形成誘導遺伝子を用いた歯の再生医療システムの構築に向けた探索研究 歯胚誘導に関わる遺伝子探索のため、マイクロアレイによる遺伝子の網羅的解析を21年度までに実施した。本年度は、各ステージの歯胚で高発現している遺伝子群をin situハイブリダイゼーションにより解析し、これら遺伝子の時空間的発現をもとに、遺伝子発現のデータベース化を行うと共に、歯胚誘導期やシグナルセンター特異的遺伝子群を特定した。
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