研究課題
歯の移動に伴い、機械的刺激による骨吸収と骨形成が生じて骨の形態が変化するが、メカニカルストレス応答およびその伝達機構の詳細は依然不明である。我々は昨年度までに、分化段階の異なる骨芽細胞と骨細胞の物性の相違や細胞骨格タンパク質の分布の相違を見出し、さらに、骨組織中に存在する細胞を単離した後に個々の細胞に定量的なメカニカルストレス負荷を行う装置として原子間力顕微鏡を用いた検討を行った。その結果をもとに本年度はカルシウム指示薬を用いた、メカニカルストレス応答時の細胞内カルシウム濃度の変化や、遺伝子導入技術を用いた蛍光タンパク質融合細胞骨格タンパク質および焦点接着斑関連タンパク質の強制発現によりメカニカルストレス負荷後の細胞のイメージングシステム構築を完了し、単一細胞を標的としたメカニカルストレス負荷とその後の応答性について検討した。すなわち骨組織を形成する種々の分化段階の細胞を対象として、どの細胞が機械的刺激の作用点であるのか、また細胞のどの部位が主としてメカニカルストレスを受容するのかを検討した。その結果、60nNのメカニカルストレスを負荷した場合においては、細胞の辺縁部や突起と比較して弾性率の低い細胞中心部でメカニカルストレス応答を示す細胞が多かった。さらに、チロシン脱リン酸化阻害剤を用いてメカニカルストレスを負荷しその後の細胞応答を比較検討した結果、骨芽細胞と骨細胞の機械的刺激応答に焦点接着斑が寄与しておりその傾向は骨芽細胞においてより顕著であった。
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