自然の記載グループの中では、昆虫グループ(連携研究者の山根:鹿児島大学、大林・吉富:愛媛大学、研究協力者の高須賀:愛媛大学)によるゴロンタロ州の山岳地帯の調査が実施された。この山岳地帯は、今まで昆虫相の本格的な調査はなく、多くの新たな知見が得られている。十数種のアリの新種やヒメバチの新種等が確認されている。目下、各専門家による論文作成が準備されている。森林グループの調査は、研究協力者のWahyudi、Atus両名によりスペルモンデ諸島を中心に実施され、Island Ecorogyに関する新知見を得ている(論文作成中)。一方、人の営みの記載グループでは、連携研究者の長津:東洋大学、赤嶺:名古屋市立大学の両名によるサラバンカ諸島の初めての調査が実施された。Bajo語の系譜に関わる貴重な資料や生業記載が実施され、サラバンカ諸島の現在の概要も明らかにされた。また、船づくりと船材樹種に関する調査は遅澤:愛媛大学によってスペルモンデ諸島を中心に実施された。 また、代表者の遅澤と連携研究者の田中:京都大学は、昨年10月にマカッサールで開催された国際シンポジウムEnhancing Sulawesi Initiatives towards Local based Partnership and Developmentで、これまでの成果をまとめた発表を2題行い、本研究のような地域に根ざした基礎研究の重要性を訴えた。
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