研究課題/領域番号 |
20251006
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
藤井 純夫 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (90238527)
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研究分担者 |
中村 俊夫 名古屋大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10135387)
桂田 祐介 名古屋大学, 学内共同利用施設等, その他 (40456710)
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研究期間 (年度) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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キーワード | ヨルダン / 新石器文化 / ダム / 遊牧 / 移牧 / 灌漑農耕 |
研究概要 |
本年度は以下3件の調査を実施し、研究課題の解明に努めた。 1. ワディ・ナディーア2号遺跡の発掘調査(ヨルダン、ジャフル盆地北部):2012年8月に実施し、先土器新石器時代Bの移牧民に伴う石造ダム3件を確認した。相互を比較した結果、「開放的なプランの貯留式灌漑農業用大型ダム」から「より閉鎖的プランの貯水専用小型ダム」への、構造的・機能的変遷の過程が判明した。 2. ジャフル盆地東部地区、新石器時代ダムの分布調査(ヨルダン、ジャフル盆地東部):2012年9月後半と2013年3月前半の、2回に分けて実施した。その結果、貯留式灌漑農業用の大型ダムは、同時代定住集落域に近接した盆地西部に集中し、出先集落としばしばセットで運営されているのに対して、貯水専用の小型ダムは盆地東部にまで深く浸透し、しかも出先集落を伴わないことが判明した。これによって、前者が移牧民の本格的社会インフラであるのに対して、後者は初期遊牧民の簡易インフラであることが裏付けられた。 3. アウジャ1~5号遺跡の追加発掘調査(ヨルダン、ジャフル盆地南部):9月前半に調査した。先土器新石器文化Cから後期新石器時代にかけての擬集落数件を新たに確認し、初期遊牧民の墓制を明らかにした。 以上3件の調査によって、先土器新石器文化Bの移牧から後期新石器文化の初期遊牧への段階的変遷を、墓制のみならず、ダムの構造・機能変化という側面からも具体的に追跡することが可能になった。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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