研究課題/領域番号 |
20251009
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
窪田 幸子 神戸大学, 大学院・国際文化学研究科, 教授 (80268507)
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研究分担者 |
内堀 基光 放送大学, 教養学部, 教授 (30126726)
杉藤 重信 椙山女学園大学, 人間関係学部, 教授 (70206415)
曽我 亨 弘前大学, 人文学部, 教授 (00263062)
大村 敬一 大阪大学, 大学院・言語文化研究科, 准教授 (40261250)
高倉 浩樹 東北大学, 東北アジア研究センター, 准教授 (00305400)
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キーワード | 先住民 / 少数民族 / 国際ネットワーク / 国家政策 / 多文化主義 / 寛容 / 人権 / 新自由主義 |
研究概要 |
本研究は、20世紀末から影響力を増してきた国際的なイデオロギーとしての「先住民」概念を中心に、このような国際世論と、国家の少数民族政策の影響のものと、少数者である彼らが近代国家の枠組みの中で、どのように主流社会と交渉し、自己アイデンティティーを構築していくのか、その多様な動態を比較の視点から明らかにしようとするものである。研究計画の4年目にあたる今年は国内で3回の研究会を開催した。研究代表者の先住性を考える視点を示し、全員で討論を行い、「民主自由主義と先住性」、「新自由主義と先住性」などの論点を先鋭化させた。それとともに、各研究分担者協力者は、このプロジェクトにかかわってどのような論点が提示できるか、という問題意識から発表を行った。後半二度の研究会には、東京大学の松井教授、名和教授、一橋大学名誉教授の清水教授にコメンテーターとして参加いただき、議論の発展がみられた。また研究会と並行して、代表者分担者は、それぞれの調査地でこれまでの知見を踏まえて追加調査を行うとともに、文献調査を行った。研究代表者は、来年度の最終年度に向けて、国内での関係諸氏、ならびにオーストラリアの共同調査者との研究打ち合わせを重ねた。本調査の中心地であるオーストラリアでは、先住民を巡る動きが活発である。しかし、それは、ある意味で世界的な先住民の権利拡大に逆行する動きであり、それが継続されていることが興味深い。このようなオーストラリアの現在について研究打ち合わせを行い、最終シンポジウムの論点とすることを確認した。現在のところ、シンポジウムでは、新自由主義という概念を中心として、先住性についての発表を各調査地の文脈から行っていくことを考えている。一つの大きなテーマを共有することによって、そのあとに予定する出版につながるものとなる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画通りに研究は展開されてきており、研究分担者による協力体制も万全である。本年は、研究分担者外の研究者も、研究会に参加し、積極的に議論の展開に参画するなど、当初予定していた以上の展開を見せている。
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今後の研究の推進方策 |
来年度の最終年度に向けて、おもにネット上で意見交換を行なってゆく。また、来年度の最終年度に計画している国際シンポジウムに海外の代表的な先住民研究者を招へいし、議論を国際的に意義の大きなものにしたいと考えるようになった。この計画は、海外の研究協力者との議論の中で新たに生まれてきたものである。そのために、新たに国際会議のための外部資金を申請することも、考慮中である。
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