研究課題/領域番号 |
20252008
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
宮島 喬 法政大学, 社会学研究科, 教授 (60011300)
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研究分担者 |
中野 裕二 駒澤大学, 法学部, 教授 (10253387)
若松 邦弘 東京外国語大学, 外国語学部, 准教授 (90302835)
森 千香子 南山大学, 外国語学部, 准教授 (10410755)
荒又 美陽 恵泉女学園大学, 人間社会学部, 准教授 (60409810)
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キーワード | フランス / 移民 / 第二世代 / 社会的統合 / 文化的統合 / 失業 / 住区協議会 / フォワイエ |
研究概要 |
本年度の調査で、フランスにおける移民の社会的統合には次のような特徴と問題があることが、明らかとなった。 移民の第二世代が今日では移民人口の中心を占めているが、教育達成、言語能力などからみて彼らは文化的には統合されているとみることができる。しかし労働市場においては、不熟練労働に就くことは拒否し、他方、中間的職業や高熟練労働には参入が難しく、このため失業率は高く、特に非ヨーロッパ出自の移民の若者の失業率は高い。 地域社会への移民の参加、特に市政への参加を促進するため、地方自治体では住区協議会(conseil dequartler)の設置が試みられている。その参加の仕組みと成果についてストラスブール市、ボルドー市などで調査を行った。その結果、彼らの市政参加に一定の成果が上がっていることが確認できたが、外国籍移民の場合には課題が多いことが明らかとなった。 移民の住宅に関連しては、単身者用の寮(フォワイエ)について聞き取りと資料収集を行った。住人の高齢化、老朽化に対して修復や改築が行われているが、ホームレスを主対象とする社会住居への転用も進んでいて、移民の住宅改善に沿う政策なのか問題も感じられる。加齢の進んだ単身者移民への処遇は今後のフランスで一つの課題をなしていよう。 3カ年の調査研究の総括のためフランスから移民問題の研究者2名を招聘し、シンポジウム「移民の社会的統合と排除」を計画・準備したが、開催直前の東日本大震災により、中止のやむなきにいたった。既提出のペーパー6編があるので、その公刊の途を探っている。
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