研究課題/領域番号 |
20253003
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
岩森 光 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80221795)
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研究分担者 |
篠原 雅尚 東京工業大学, 地震研究所, 教授 (90242172)
安間 了 筑波大学, 生命環境科学研究科, 講師 (70311595)
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キーワード | タイタオ・オフィオライト / チリ海嶺 / トランスフォーム断層 / 海嶺沈み込み / 大陸地殻 |
研究概要 |
地球に固有の大陸地殻、すなわち花崗岩質岩石およびマグマの成因は、地球の特徴や歴史を理解する上で未解明の重要問題である。本研究の大きな目標は、理論的研究によって予測されている海嶺沈み込みに伴う花崗岩質マグマ生成機構や大陸成長過程をその場観察すべく、南米チリの三重会合点付近において地震学的探査を行ない、その結果を、テクトニクス、火成作用および熱・流動モデリングの各面から解析・検証することにある。 平成22年2月に回収した海底地震計5台は、チリ国内輸送中に、2010年チリ地震が発生したために輸送に障害が発生し、地震研究所への到着が6月と大幅に遅れた。記録は、耐圧容器を開封して取り出し、処理システムにコピーした。5台ともに良好な記録が得られた。その後、時刻補正などの処理を行い、地震の検出、読み取りを行った。精度よく震源決定可能な海底地震計ネットワーク内で発生した地震も多数記録されており、震源決定の結果、海側では活動的な海嶺で見られる地震活動が海溝まで起こっていることがわかった。これは、海洋底拡大を行いつつ、沈み込んでいることを表していると考えられる。 物質科学面では、チリ海嶺沈み込み帯近傍に露出するタイタオ・オフィオライトと海底からドレッジした火成岩類の対比を行った。地震研究所においてU-Pb年代測定を行い、チリ海嶺とトランスフォーム断層の沈み込みに関連する火成作用が570万年前から400万年前のごく限られた時間内で生じたことを明らかにした。また、海嶺沈み込み帯からホーン岬にかけての海域で採取した5本のピストンコアから堆積速度を見積もった。海嶺沈み込み帯からの距離による堆積速度の差は見いだされなかった。
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