研究課題
淡青丸KT-08-7次研究航海(2008年4月23日~5月7日)において、伝導度-水温-水深プロファイラ(CTD)、垂下式超音波流速計(LADCP)、および鉛直微細構造プロファイラ(乱流計)等を用い、房総半島沖合の親潮系低塩分水が貫入した直後の黒潮続流域において2000mまでのグリッド観測を実施した(安田一郎・伊藤幸彦)。この研究航海ではまた、鉛直方向に詳細な硝酸分布が取得できる硝酸塩連続プロファイラをレンタルして使用した。硝酸計データと乱流計データと組み合わせると硝酸の鉛直フラックスが算出でき、これにより本研究における栄養塩・生態系観測研究の基礎が構築されつつある。2009年に予定されている白鳳丸アリューシャン・ベーリング海観測を行うために、5/22-23にシンポジウムを開催し観測計画のとりまとめを行った。2006/2007ロシア船観測によって千島列島海域で得られた観測データの解析を進め、密度逆転からの乱流強度評価手法の開発(院生D1:八木雅宏)、千島列島付近での乱流による栄養塩鉛直輸送の評価(院生D1:金子)を行った。鉄分布観測データの検討(西岡純)、化学トレーサ観測データの解析(渡辺豊)を行った。海洋観測長期データを用いた解析(院生D3:長船哲史)により潮汐18.6年振動がベーリング海にも現れることを明らかにした千島列島付近の潮汐混合を変動させた大気・海洋・海氷結合モデルを開発し、エルニーニョ・南方振動(ENSO)を通じて気候にも影響を与えうることが明らかにされた(羽角・安田・建部)。
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Geophysical Research Letters 33
ページ: L14601, doi:10. 1029/2008GL034406
http://www.ori.u-kotyo.ac.jp/special/topics/index.html