研究課題
近年、黄砂粒子と粒子に付着している微生物について社会的にも学術的にも強い関心が寄せられるようになっている。本研究では、既に中国甘粛省敦煌市(タクラマカン砂漠の東緑)の気象局キャンパス内に設置済みの観測サイト(中国科学院大気物理研究所と共同で維持管理)を利用し、砂漠上空に浮遊する黄砂粒子とバイオエアロゾル(ここでは細菌など。国や専門分野で定義は異なる)の混合状態とその高度変化を気球観測によって明らかにする。気球による試料採集は地表付近から高度約10kmの高度で行い、砂塵と微生物の大気中での混合状態、さらに微生物を同定する。本年度は、「黄砂粒子とバイオエアロゾルの濃度と混合状態、およびその高度変化」を明らかにするため気球搭載用各種機器を整備し、係留気球で2kmまで自由気球で3-10kmでの試料採集を行った。自由気球による採集は、試料切り離しに失敗した。次年度に向けロープワークを改良する。黄砂粒子と微生物が内部混合状態にあるものがあるかどうかを中心に検討を試みた。これらの結果からは、1. 内部混合状態にある黄砂が高度2kmまでの領域で検出された2. 内部混合状態にある黄砂は黄砂の10%程度であった3. 耐塩菌、好塩菌の分布が高度によって大きな違いがあった4. いわゆるカビの類が多く同定されており、日和見感染症の原因菌となるものも同定された
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